建物管理・修繕・エネルギー
2016.03.04
オフィスビルエネルギー消費量及びコスト調査(2015年12月まで)
~エネルギー単価の下落が続きコストも減少、エネルギー消費量は依然横ばい~
ザイマックス不動産総合研究所は、首都圏オフィスビルを対象に、「オフィスビルエネルギー消費量及びコスト」を継続的に調査しており、昨年12月には、2010年1月から2015年9月までの結果を発表した。
今回は、さらに2015年12月までのオフィスビルエネルギー消費量及びコストについて調査した結果を公表する。
《2015年12月時点での調査結果(図表1)》
- ■エネルギー消費量:
- 2011年以降継続した水準のまま、ほぼ横ばい
- ■エネルギー単価:
- 2015年3月を境に下落傾向に転じ、前回調査(2015年9月まで)から5pt減
- ■エネルギーコスト:
- 単価下落に伴いコストも減少し、前回調査(2015年9月まで)から4pt減
エネルギー消費量・単価・コストの過去12ヵ月平均値の推移【図表1】
- ※各月の数値は単月値ではなく、12ヵ月前~当月までの1年間の平均値を示す
- ※2010年12月時点の数値を100として指数化
- ※エネルギー消費量は、単位をMJ(一次エネルギー量)に換算
- ※消費量、コストは単位面積あたりの数値を算出し、指数化
- ※3つの指標の関係は、コスト=単価×消費量
エネルギー消費量・単価・コストの単月値の推移
【図表2】エネルギー消費量(MJ/㎡・月)の推移
- ※一部データを見直した結果、2013年以降の数値を前回発表値より変更しています。
【図表3】エネルギー単価(円/MJ)の推移
【図表4】エネルギーコスト(円/㎡・月)の推移
- ※一部データを見直した結果、2013年以降の数値を前回発表値より変更しています。
図表2は消費量の推移を示している。昨年と同じく、2010年比17%程度の消費量減少となった。
図表3は単価の推移を示している。2010年の調査開始以降、2014年まで継続して上昇していた単価が2015年では下落し、2013年と同程度の単価水準となった。これは、主に2015年4月から継続して電気・ガスの原燃料調整費が下落していることが主な要因と推察される。一方で、新電力(特定規模電気事業者)の販売電力量のシェアも徐々に拡大しており、こちらの動向にも引き続き注目していきたい。
また、図表4はコストの推移を示している。昨年までは単価上昇に伴い増加傾向にあったが、単価の下落によりコストも減少し、昨年比6.5%程度の減少となった。
調査概要
【調査期間・対象】
- 期間:2009年4月~2015年12月(81ヶ月)
- 対象:ザイマックスグループが運営する首都圏の一般的な賃貸オフィスビルのうち、有効なデータが得られた約100棟
【算出方法】
- 各月のエネルギー消費量・エネルギー単価・エネルギーコストの算出方法は以下の通り
- ① ビル毎に電気・ガス・熱・油類の消費量及び支払金額(税抜)を集計
- ② ①の各エネルギー消費量をMJ(一次エネルギー量)に換算し、合計する
- (換算係数は下記を使用)
-
電気:9.76MJ/kWh 都市ガス:45MJ/m3 冷水・温水・蒸気:1.36MJ/MJ 直接蒸気:2.68MJ/kg A重油:39.1MJ/L
- ③ A:エネルギー消費量( MJ / ㎡・月 )
- ⇒②で求めた消費量合計を、空室を除いた延床面積で除す
- B:エネルギー単価( 円 / MJ )
- ⇒①で求めた支払金額合計を、②で求めた消費量合計で除す
- C:エネルギーコスト( 円 / ㎡・月 )
- ⇒①で求めた支払金額合計を、空室を除いた延床面積で除す
- ④ ③で求めたA・B・Cそれぞれについて、調査対象の平均値を求める
【備考】
- ・本データの「月」はエネルギー供給会社の検針作業上の月で、ビル毎・供給会社毎に異なる
- ・本調査では、継続性・正確性を期すため、空室を除いた延床面積を用いている
※前回調査は2015年12月9日付けレポート「オフィスビルエネルギー消費量及びコスト調査(2015年9月まで)」を参照
※当レポート記載の内容等は作成時点のものであり、正確性、完全性を保証するものではありません。
※当社の事前の了承なく、複製、引用、転送、配布、転載等を行わないようにお願いします。
レポートに関するお問い合わせ
- ザイマックス不動産総合研究所
- TEL: 03 3596 1477
- FAX: 03 3596 1478
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