首都圏就活生の企業選びに関する意識調査2026
就活生の65%が「理想の働き方はハイブリッドワーク」と回答、生成AI利用は8割
少子高齢社会の日本において、企業が若い労働力を獲得することの重要性と難易度は増している。若年層に選ばれるための第一歩はその価値観や志向を知ることだが、コロナ禍による社会変革を目の当たりにした現代の就活生は、就職先企業を選ぶ際の行動や価値観が旧世代とは異なるのではないだろうか。
ザイマックス総研では2016年から「オフィスワーカー調査」を過去10回実施し、2024年には初めて「就活生」を対象にした調査を実施した。本ページは、2025年12月から2026年1月にかけて実施した第2回就活生調査の結果レポートを<概要版>として一部抜粋したものである。「ワーカー予備軍」ともいえる就活生らの企業選びにおける行動や価値観を知ることで、若手人材を求める企業に対してヒントを提示したい。
※<概要版>PDFはこちら※<詳細版>PDFはこちら主な調査結果
- 理想に最も近い働き方を聞いた結果、「ハイブリッドワーク(オフィス出社とテレワークの両方を使い分けて働く)」を選択した人が64.6%と最多であった【図表1】。2024調査と比べると「完全出社」(19.0%)は4.7ポイント増加した。
- 73.0%が、従業員のためにサテライトオフィスなどのテレワークする場所を用意している企業で働くことは魅力的だと思う(または「ややそう思う」)と回答した【図表2】。
- オフィスの条件では、「自宅から近く通勤時間が短いエリア(郊外・住宅地など)に立地している」を「(やや)重視する」と回答した人が最も多く、「交通利便性が高い都心のオフィス街に立地している」を上回った【図表3】。
- 企業選びにあたって不安に感じていることでは、「配属先や上司によって働き方の柔軟性に差があるのではないか(配属ガチャ)」が37.9%と最も高かった【図表4】。2024調査と比べると全体的に低下傾向がみられたものの、「テレワークでできる仕事でも毎日出社を求められないか」(29.1%)のみ前回調査を上回った。
- 生成AIの利用状況別に、企業選びにあたって不安に感じていることを比較したところ、多くの項目で、生成AIの利用頻度が高いグループほど回答割合が高い傾向がみられた【図表5】。
<調査概要>
2025年12月26日~2026年1月6日
就活の状況が「就職先が決定して、就職活動を終了した」か「現在、就職活動中」または「これから就職活動を始める予定」である、首都圏在住の大学3年生から大学院生
※対象大学:首都圏所在の大学(慶應義塾大学、上智大学、東京大学、東京外国語大学、東京科学大学、筑波大学、一橋大学、横浜国立大学、早稲田大学、その他)計39校と、首都圏所在の大学院
実回収数300件、ウェイトバック後の回答者数300件
※経年比較の条件を揃えるため、2024年に実施した同調査の構成比(年齢2区分×就活状況2区分)に準拠してウェイトバック集計を実施。極端なウェイトが発生しないよう、以下のとおり区分を統合した。
・年齢2区分:23歳以下/24歳以上
・就活状況2区分:「就職先が決定して、就職活動を終了した」/「現在、就職活動中」と
「これから就職活動を始める予定」
インターネット調査
topic 1
「完全出社(毎日決まったオフィスに出社する)」、「ハイブリッドワーク(オフィス出社とテレワークの両方を使い分けて働く)」、「完全テレワーク(毎日テレワークで基本的には出社しない)」という3種類の働き方から理想に最も近いものを聞いた結果、「ハイブリッドワーク」を選択した人が64.6%と最多であった【図表1】。
これに対し、「完全出社」(19.0%)と「完全テレワーク」(7.3%)は少数派であることがわかった。ただし、「完全出社」は2024調査(14.3%)から4.7ポイント増加している。
【図表1】理想の働き方
topic 2
テレワークを導入するにあたり、在宅勤務だけでなく、法人向けサテライトオフィスサービスなどを契約する企業は増加傾向にある。
そこで、サテライトオフィスやシェアオフィスといったテレワーク拠点サービスの説明をしたうえで、従業員のためにサテライトオフィスなどのテレワークする場所を用意している企業で働くことは魅力的だと思うかどうかを聞いた結果、78.2%が「そう思う」または「ややそう思う」と回答した【図表2】。
【図表2】サテライトオフィスなどを用意している企業で働くことを魅力的だと思う割合
【参考】調査時に提示した「サテライトオフィス」や「シェアオフィス」のイメージ

topic 3
企業選びにおいてオフィスのさまざまな条件をどの程度重視するかを聞いた結果、「(やや)重視する」の割合が最も高かったのは「自宅から近く通勤時間が短いエリア(郊外・住宅地など)に立地している」(78.6%)で、「交通利便性が高い都心のオフィス街に立地している」(72.2%)を上回った【図表3】。いわゆる「タイパ」志向の若年層にとって、長時間通勤への忌避感は従来の世代よりも強い可能性がある。
また、2024調査と比較すると、「自宅から近く通勤時間が短いエリア(郊外・住宅地など)に立地している」と「大規模ビルや、グレード感の高いビルである(ビル内に商業施設や飲食店が充実している等)」(50.4%)がともに増加した。
【図表3】オフィスの条件で重視すること
topic 4
テレワークなどの新しい働き方が広がるなか、企業選びにあたって不安に感じていることでは、「配属先や上司によって働き方の柔軟性に差があるのではないか(配属ガチャ)」が37.9%と最も高かった【図表4】。
ただし、2024調査と比べると同項目の回答割合は大きく減少しており、他の不安項目についても全体的に低下傾向がみられた。新卒採用の売り手市場が続くなかで、就職活動そのものに対する不安感は相対的に和らいでいる可能性がある。一方で、「テレワークでできる仕事でも毎日出社を求められないか」は29.1%と、前回調査を上回った。
これらの結果から、若年層はテレワーク(ハイブリッドワーク)の利用意向が高い一方で、単に出社を避けたいわけではなく、仕事内容や状況に応じて適切に出社とテレワークを使い分けられる環境を求めていると考えられる。
【図表4】企業選びにあたって不安に感じていること
topic 5
生成AIの利用状況別に、企業選びにあたって不安に感じていることを比較したところ、多くの項目で、生成AIの利用頻度が高いグループほど回答割合が高い傾向がみられた【図表5】。
なかでも、「入社直後からテレワークさせられて教育機会が不十分にならないか、放置されないか」や「テレワークでできる仕事でも毎日出社を求められないか」といった項目は、生成AIの利用頻度との相関が比較的強く、「ほぼ毎日利用している」グループではいずれも回答割合が4割を超えた。
生成AIの利用頻度が高い層は情報感度が高く、就活の情報収集にも積極的であると考えられる。その結果、企業の制度や運用の実態に対して具体的なイメージを持っており、より不安を感じやすくなっている可能性がある。企業側には、制度の有無だけでなく、実際の運用や育成の考え方を丁寧に発信し、就活生の不安を解消していく姿勢が求められるだろう。
【図表5】<生成AIの利用状況別>企業選びにあたって不安に感じていること
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