2025.08.28
商業店舗の出退店に関する実態調査2025
~出店・退店戦略、海外進出動向、店舗開発業務の遂行体制について~
ザイマックス総研では、早稲田大学建築学科石田航星研究室と共同で、多店舗を運営・統括する商業事業者(以下、事業者)を対象に、各種アンケート調査を継続的に行っている。
7回目となる今回は、2022年と同様に商業店舗の出退店に関するアンケートを実施した。本ページは、その結果をとりまとめたレポートの一部を<概要版>として抜粋したものである。
- ・ 出店意欲の程度は、事業者の約8割が「店舗数拡大のために積極的に出店」または「優良物件に絞って出店」と回答しており、コロナ禍前(2019年)・コロナ禍時(2021年)調査よりも高くなっている。【図表1-1】。
- ・ 重視する出店立地は、多くの立地で過去調査と比較して重視する事業者の割合が増加している。特にコロナ禍で落ち込んだ「駅前・駅周辺」「駅ビル・駅ナカ」「繁華街・商店街」が高くなっている【図表1-2】。
- ・ 不採算店舗については、「賃料減額を実施」「退店」の方針をとっている事業者が多いものの、2021年調査と比較するとその割合は大きく減少している【図表2】。
- ・ 海外出店の状況をみると、現在、(本格的・試験的に)店舗展開しているのは、飲食業の割合が最も高い【図表3】。
- ・ 店舗開発業務要員の人手不足度合で「とても不足」「やや不足」と回答した事業者は約6割、店舗開発業務を行う正社員・契約社員の平均年齢は「40歳代」「50歳代」が約8割となっている【図表4-1】【図表4-2】。
<調査概要>
調査期間:2025年6月11日~7月14日
調査対象:東京商工リサーチ(TSR)データより抽出した計4,761社
【売上】年商30億円以上
【業種】個人消費を目的とした小売業・飲食業・娯楽業・サービス業
有効回答数:279社(回答率:5.9%)
調査地域:全国
調査方法:Web回答による
topic 1
事業者の出店意欲の程度を過去の調査と比較したものが【図表1-1】である。これによると、事業者の約8割が「店舗数拡大のために積極的に出店」または「優良物件に絞って出店」と回答しており、コロナ禍前(2019年)・コロナ禍中(2021年)調査よりも高くなっていることから、事業者の出店意欲は旺盛になっていることがうかがえる。
【図表1-1】出店意欲の程度(単一回答)
事業者が重視する出店立地について、【図表1-1】と同様に表したものが【図表1-2】である。これによると、ロードサイドや駅周辺など多くの立地では過去調査と比較して重視する事業者の割合が増加しており、特にコロナ禍で落ち込んだ「駅前・駅周辺」「駅ビル・駅ナカ」「繁華街・商店街」を重視する事業者の割合が高くなっている。
【図表1-2】重視する出店立地(複数回答)
topic 2
事業者が不採算店舗についてどのような方針であるかを時系列で表したものが【図表2】である。「賃料減額交渉を実施」や「退店(自社保有、賃借店舗の中途解約・契約満了問わず)」について、「あてはまる」「ある程度あてはまる」と回答した事業者が多い。
しかし、コロナ禍にあった2021年と比較すると、「あてはまる」の回答割合は「賃料減額交渉を実施」が33%から21%、「退店(自社保有、賃借店舗の中途解約・契約満了問わず)」が21%から16%と減少している。
【図表2】不採算店舗の方針(単一回答)
topic 3
現在(2025年)の海外出店の状況について業種別に表したものが【図表3】である。「飲食業」は「本格的に海外出店を展開中」と回答した事業者の割合が28%と最も高く、「試験的に海外進出を行っている」の8%をあわせて36%が海外出店を行っている。一方で、「以前は海外出店していたが、現在は行っていない」との回答も17%で最も高くなっている。
【図表3】現在の海外出店の状況(単一回答)
topic 4
各事業者の店舗開発要員の人手不足の度合いをたずねたものが【図表4-1】である。これによると、「とても不足」または「やや不足」と回答した割合は62%で、多くの事業者が人手不足であることがうかがえる。
【図表4-1】店舗開発要員の人手不足度合い(単一回答、n=279)
また、店舗開発業務を行う正社員・契約社員の平均年齢をたずねたものが【図表4-2】である。これによると、「40歳代」または「50歳代」と回答した事業者が最も多く、全体の76%を占めている。「60歳代以上」の回答も9%と、平均年齢は比較的高いことがうかがえる。
【図表4-2】店舗開発業務を行う正社員・契約社員の平均年齢(単一回答、n=279)
<関連調査>
- ザイマックス総研
- お問い合わせ