リニューアルがオフィス賃料に与える影響
ARES不動産証券化ジャーナル vol.94
オフィスビルのリニューアルは、オフィスストックの築古化や建築費の高騰などを背景に、既存物件の価値を高める手段として重要性が増している。こうした背景を踏まえ、本稿では、オフィスビルのリニューアル実施の有無がオフィス賃料に与える影響について定量的な分析を行った。分析の結果、リニューアルの実施によるオフィス賃料の上昇傾向が確認された。
オフィスノウェルネス性能がもつ経済価値 - CASBEE-WR 正式リリースを前に見えてきた経済効果 -
不動産経済ファンドレビュー_NO.715
ザイマックス総研とCASBEE-ウェルネス不動産(CASBEE-WR)の開発に携わる千葉大学林立也教授は、同制度の正式リリースを前に、試行版を用いた共同研究を実施した。具体的には、既存オフィスビルのウェルネス性能を評価し、その結果が賃料や入居継続にどのように結びつくかを分析したものである。本稿では、CASBEE-WRの期待される役割、実証で確認された価値創出のメカニズム、そして不動産運用の現場にとっての意味を整理する。
米国の不動産コンサルティング資格 米国不動産カウンセラー(CRE®)
『不動産コンサルティングプラス 2025年11月号』
(中山善夫)
世界的に数ある不動産関連資格の中で、最高峰といわれているのが米国不動産カウンセラー(CRE®)である。本稿は、その保有者である中山善夫(ザイマックス総研代表取締役社長)による、同資格の資格認定のプロセス、会員属性、業務内容、位置づけ、社会的評価などを解説したものである。
オフィスビルのウェルネス性能がもたらす経済価値 ~新評価制度「CASBEE-ウェルネス不動産(試行版)」を用いた実証分析~
『ARES不動産証券化ジャーナルvol.92』
(中山善夫 任暄 )
本稿では、新認証制度「CASBEE-ウェルネス不動産(試行版)」を用い、既存オフィスビルのウェルネス性能が賃料や空室率といった経済価値に与える影響を実証的に検証した。134物件を対象に分析した結果、ウェルネス性能が高いほど賃料が上昇する傾向が確認され、特に「デザイン性」「防災対策」「空間・内装」が賃料に寄与する要素として抽出された。制度の普及を通じ、ウェルネス向上が不動産価値向上へつながる可能性を示した研究である。
「転換期を迎えるSCの現在地と今後の課題」
『SC JAPAN TODAY 2025年10月号 No.582』
(山田賢一)
近年の商業施設における出店面積・業態・出店立地の年次別推移を確認したうえで、商業施設の現状・トレンドを整理するとともに、特にSC(ショッピングセンター)にフォーカスし、SC事業モデルの変遷およびSC事業が直面する新たなリスク要因について考察する。
商業事業者の出退店戦略の時系列変化と今後の課題
『不動産経済ファンドレビュー2025.09.15 合併号 No.707』
(中山善夫 山田賢一)
実体経済に甚大な被害を及ぼした新型コロナウイルス感染症を経た現在、商業事業者の出退店戦略がどのように変化してきているのかにつき、出店意欲の程度・重視する出店立地・不採算店舗の方針の3つにフォーカスし、時系列データに基づき確認していく。また、それらに関して事業者が今後の課題として留意すべき点を整理する。
中小規模オフィスビルを考える⑥~物価高騰による築古ビルのゆくえ「ビルオーナーの実態調査2025」より~
『ARES不動産証券化ジャーナルvol.90』
(中山善夫 鎌田佳子)
2018年2月より連載している「中小規模オフィスビルを考える」の第6弾。市況の回復によりビル経営の収入は改善傾向にあるが、人手不足や物価高騰により支出は年々増加している。特に建設費の高騰は、今後のビル運営方針に大きな影響を与えており、建て替え以外の選択をするビルオーナーが増加傾向にある。今回は、このような意識変化が見られるビル経営の実態について、2023年に早稲田大学建築学科石田航星研究室と共同で実施した「ビルオーナーの実態調査」に基づいてご紹介する。
これからのワークプレイス戦略を考える~パラダイムシフト後の働き方と働く場所の最適解とは?~
『ARES不動産証券化ジャーナルvol.88』
(中山善夫 石崎真弓 新井雛子)
ワークプレイス戦略は企業の生産性や人材採用といった経営課題とも密接に関係するものであり、人的資本経営が叫ばれる現在、その重要性は一層高まっている。日本企業の働き方は、コロナ禍で急速にテレワークが普及したのち、オフィス出社への揺り戻しが起こるなど、ここ数年で激しい変化がみられた。こうした動きを受け、企業にはワークプレイス戦略のアップデートが求められる。本稿では近年の働き方や働く場の変遷を振り返るとともに、ワークプレイス戦略の最適解を導くためのヒントや具体案を提示する。
これからのワークプレイス戦略を考える
『不動産経済ファンドレビュー2025.06.05 No.698』
(中山善夫 石崎真弓 新井雛子)
日本企業の働き方は、コロナ禍で急速にテレワークが普及したのち、オフィス出社回帰への揺り戻しが起こるなど、ここ数年で激しい変化がみられた。こうした動きを通じて、働き方と働く場のパラダイムシフトが生じ、コロナ前のままのオフィスや、感染拡大当初に一時的な調整を行っただけのオフィスにはほころびが見え始めている。本稿では近年の働き方や働く場の変遷を振り返るとともに、ワークプレイス戦略の最適解を導くためのヒントを提示する。
新リース会計基準とCRE~不動産の借手・テナント企業への影響~
『ARES不動産証券化ジャーナルvol.86』
(中山善夫 大西順一郎)
本稿では、2027年度より適用される新リース会計基準について、不動産の借手の視点で影響について整理を行い、新リース会計基準適用によるテナント企業の意思決定および行動の変化について考察する。また、リース期間の参考情報として実際の契約データから分析した平均入居期間について紹介する。