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2024.03.29

人手不足問題の解決に向けて(第3回)

~オフィスビルの現場で働くノンデスクワーカーの実情と課題~

1.  はじめに ~人手不足問題を分解する~

ザイマックス不動産総合研究所(以下、ザイマックス総研)では労働市場の人手不足に問題意識を持ち、2023年5月から本シリーズ「人手不足問題の解決に向けて」を公表してきた。第1回では職業を「デスクワーク」と「ノンデスクワーク」に分解し、人手不足問題の核心がノンデスクワークにあることを示した。続く第2回では、長期時系列データから将来の労働需給ギャップを推計し、2040年にはノンデスクワーカーが819万人(全41職業)不足することを明らかにした。

人手不足が予測されるのは、2024年問題などのトピックが注目される建設や物流、医療といった特定の職業だけではない。社会を支えるあらゆる職業のノンデスクワーカーがほぼ確実に不足し、対策を講じなければ現在の安全で快適な生活は維持できなくなるだろう。

第3回となる本レポートでは、ノンデスクワーカーの人手不足に対する解像度を高めるために具体的な職業を掘り下げるべく、ザイマックス総研の主要な研究対象であり、デスクワーカーにとって「自宅以外で最も長い時間をすごす場所」である、オフィスビルの現場を支えるノンデスクワーカーに焦点をあてた。そこで働く人と仕事、人手不足に陥る構造的な要因を整理することで、オフィスの利用者だけでなくオフィスビルの所有者や投資家にとっても、この問題が事業継続性の面で深刻な脅威であるという理解を促し、関心を高めるきっかけを提示したい。

2.  オフィスビルの現場で働くノンデスクワーカー

オフィスは多くの企業にとって知的生産と価値創出の場であり、デスクワーカーが仕事に集中してパフォーマンスを発揮するためには快適で安全なオフィスが必要である。朝の始業時点で塵一つないカーペットや清潔なトイレ、常に完璧に動作するエレベーターや空調設備、不審者が入ってくる心配のないセキュリティエリア。多くのデスクワーカーが当たり前に享受しているこうした仕事環境は、さまざまな職業のノンデスクワーカーにより支えられているが、普段そのことを意識しているデスクワーカーは多くはないだろう。

オフィスビルの現場を支えるノンデスクワークには、主に「清掃、警備、設備管理、工事(職人*1)」の4つがある。実は、これら4つの職業も他のノンデスクワークの例に漏れず人手不足が進行しており、前述の推計によると、2040年に清掃は9万5,000人、警備は32万5,000人、設備管理は13万人、工事(職人)は2万6,000人の不足が予測されている(*2)。これらの職業では現在すでに高齢者が主力として活躍しているが、今後も若年世代が減り続ける日本においては幅広い職業で高齢ワーカーの奪い合いが起こり、人材獲得競争が今以上に激化していく可能性が高い。

仕事が違えばそこで働く人のタイプや人手不足の状況・課題も違うはずであり、打つべき対策や目指すゴールも変わってくる。ここでは、オフィスビルの現場における人手不足問題の解決の方向性を探るため、これら4つの職業および働く人の特徴を整理する。前提として、各職業のおおまかな仕事内容は【図表1】、就業状況等を示す公的データは【図表2】のとおりである。一言で「オフィスビルの現場を支える仕事」といっても、職業ごとに様相が大きく異なることがわかる。

*1 オフィスビルの工事に関わる職業としてほかに施工管理があるが、デスクワークとノンデスクワーク両方の特徴を持つため今回は分析対象外とした。
*2 日本標準職業分類(総務省)に基づいて各職業の推計を行い、清掃は「清掃従事者」、警備は「保安職業従事者」、設備管理は「居住施設・ビル等管理人」、工事(職人)は「電気工事従事者」の推計値を記載している。

【図表1】オフィスビルにおける各職業の仕事内容

【図表2】各職業の公的データ

【図表2】右端の有効求人倍率に注目すると、全職業平均の1.28倍と比べて警備や工事(職人)は上回っているものの、清掃や設備管理は特に高いわけでもなく、オフィスビルを取り巻くノンデスクワークの人手不足は実感しづらい。しかし、ザイマックス総研が2023年11月から2024年2月にかけて事業会社や協会団体を対象にヒアリング調査を行った結果、4職業いずれの現場も慢性的な人手不足に悩まされていることがわかってきた。

3.  現場の声に基づく人手不足の概況

ここからはヒアリングをベースに、4つの職業それぞれの人材の特徴と人手不足の概況、背景・要因をまとめ、現状から考えうる人手不足解消の方向性を考察した。また、仕事の客観的特徴を捉える参考資料として、厚労省による職業情報提供サイトjob tag(日本版O-NET)のデータから独自に算出した「仕事の性質」のスコア(*3)のレーダーチャートを掲載する。

*3 デスクワークなども含む全494職業における偏差値を示しており、50より大きければ全職業平均と比べてその特徴が顕著であるといえる。数値の出所・算出方法などは末尾参照。

3.1.  清掃

4職業中でも特にひっ迫している。非正規雇用人材が主力で、就業に際して高度スキルを要さないため始めやすいぶん、他社・他職業に移りやすく定着率が低い。特にコロナ禍収束後は、オフィスビル清掃の「都心・早朝・短時間」という条件がネックとなり、通勤しやすい郊外の小売業・飲食業などに主力の高齢女性が流れている。

背景・要因

仕様発注 × 零細中心 × 多重下請け構造:本来、雇用の流動性の高さは待遇改善につながる好ファクターのはずだが、清掃業界は不動産オーナーによる仕様発注が基本であるためサービスの差別化が難しく、事業者の評価制度もないため、低価格・低品質で受注する零細事業者との価格競争に陥りやすい。さらには多重下請けが常態化していることも、価格競争激化の要因となっている。この構造により、ワーカーにとって清掃は賃金が低いだけでなく、「誰がやっても同じ」仕事、つまり心理的報酬も低い仕事となってしまっている。

非正規雇用中心:短時間の仕事が多く、主力層の主婦のニーズにはマッチする一方、フルタイムの安定した職を求める人にとって魅力が薄い。また、非正規雇用中心であることが定着率の低さにつながり、採用や教育、労務管理などのコスト増加を招いている。特に外国人(主婦に次ぐ主力層)は同国コミュニティの情報網を持ち、少しでも時給が高い事業者に集団で移りやすい。

主力層人口の減少:共働き世帯増加により、現在の主力層である扶養内主婦が減少しているうえ、既存の主婦層も「年収の壁」による長時間勤務忌避や正規雇用忌避により確保しづらい。

ビル間格差の拡大:清掃員の控室などが充実した大規模ビルやハイスペックビルでは人員が確保できている一方、労働環境の悪い中小規模ビルや雑居ビルでの人員確保はより厳しくなっており、ビル間格差の拡大がみられる。また、外構など空調の効いていない場所での作業もあり、仕事の性質として「作業環境が快適でない」のスコアが68と特に高く、ビル清掃の仕事を避ける重要なファクターになっていると考えられる。

人手不足解消の方向性

オフィスビル清掃の「都心・早朝・短時間」という条件に合う人材が今後も減ることを考えると、この条件を見直す必要があるだろう。すでに、早朝では人が集まらない場合には深夜帯に清掃を行う試みも生まれている。そもそも、コロナ禍を経てテレワークやフレックスタイム制度が広がった今、テナント企業の従業員全員が同時刻に出社することを前提とした仕様発注は、本当にテナント企業のニーズに応えているのだろうか。時代の変化が加速するなか、「早朝始業前に清掃を完了させなければならない」という思い込みを見直し、真のニーズに応えることでテナント満足度を高める好機が来ているのかもしれない。

短時間仕事についても、その条件を好む扶養内主婦層などには現状どおり提供する一方で、生活基盤となる安定した職を求める人ーーたとえば定年退職後に妻を養いながら長く働ける仕事を探す男性や、不安定な仕事を続けてきた氷河期世代の人などーーに対しては、1日8時間の仕事を創出して正規雇用し、勤務年数に応じた昇給やキャリアアップの道筋を示すなどの雇用パターンを用意することが有効であるかもしれない。

3.2.  警備

就業ハードルが低く定年退職前後のシニア男性が活躍してきたが、近年はシニア層の奪い合いにより厳しい状況に。特にコロナ禍収束後は、小売・飲食など他業種の採用が活発化したことで採用しづらくなっている。

また、仕様発注が主流であるため差別化できず価格競争に陥りやすいこと、参入障壁が低く零細事業者が多いことから、賃金を上げづらいという構造的な課題もある。人口減少を見据えて大手警備会社では機械化(警備ロボットやドローンの導入・開発)が進んでおり、将来的には必要人数を減らす方向に向かうと考えられる。

背景・要因

非正規雇用中心:キャリアアップや昇給の道筋がない場合が多いため、生涯の仕事として選ばれづらく、特に50代以下の若い世代に訴求できていない。

シニア男性の競争激化:主力層である定年退職前後のシニア男性が定年制延長などにより不足し、他職業との奪い合いが激化。

身体的負荷と危険リスク:場所と時間が規則的で、対人スキルなどが求められない施設警備の仕事を好む人は一定数いるものの、長時間立ちっぱなしの勤務で肉体的な負荷が大きいことや、発注者によっては来館者対応などの付帯業務を無償で要求される場合もあることなどが忌避感につながっていると考えられる。また、不審者対応など予期できないリスクがあり、収入に対して危険度が釣り合わないイメージを持たれている。仕事の性質としても「身体的に危険な度合」のスコアが59と特に高い。

労働環境の快適性の低さ:オフィスビル勤務でも入口付近や屋外での立哨は夏の暑さや冬の寒さが厳しく、「作業環境が快適でない」のスコアが60と特に高い。保守的な業界風土が残っており、労働者を大切にする意識が低い事業者も多く、待機場所である控室や24時間勤務で使う仮眠室などの快適性があまり配慮されていないという課題もある。

人手不足解消の方向性

場所や時間が規則的かつ長時間まとめて働ける施設警備の仕事は、定年退職後の空いた時間を使ってしっかり稼ぎたい高齢男性に受け入れられている。こうした特徴をアピールすることは、引き続き高齢男性に選んでもらうために有効であろう。一方で、将来の人口減少に対しては人材の裾野を広げる必要があり、警備業界が現在求めているのが女性である。警備員に占める女性の割合は6.8%(*4)に留まるが、控室やトイレなど労働環境の快適性を高め、長時間勤務前提の雇用形態を見直すことなどで、施設警備に女性を呼び込む余地はあるだろう。

また、警備ロボットや監視カメラによるリモート警備を導入することで、警備員の身体的負担や危険な目に遭うリスクを軽減しながら警備業の生産性を高めることが可能となる。成果のエビデンスを示しやすいリモート警備は仕様発注からの脱却にもつながり、安全・快適で好待遇な仕事へと変えていく好循環を生み出せれば、若い世代にも訴求できるようになるかもしれない。

*4 出所:警察庁「令和4年における警備業の概況」

3.3.  設備管理

設備に関する専門性が必要であり、関係者(不動産オーナーやテナント、専門業者等)とのコミュニケーション能力や事務処理能力も求められるため就業ハードルが比較的高い。設備管理は従来、デスクワーク会社員を定年退職したシニア男性の就業の受け皿となってきたが、労働人口減少や定年制延長などにより次第に人員確保が難しくなりつつある。

育成に時間がかかることもあり、業界の維持のためには若年層(特に現場所長などのマネジメント職候補)も必要だが、30代以下の採用は大手ビルメン企業でも厳しい。機械化が進んでいるもののトラブル対応などは完全な無人化が難しく、将来的に人材の枯渇が懸念される。

背景・要因

認知度の低さ:国家資格を取得すれば高収入が期待でき、マネジメント職などキャリアアップの道筋も存在するものの、職業自体の認知度の低さから選択肢に上がりづらくなっている可能性がある。定年退職後のキャリアチェンジ先として、清掃や警備に比べて具体的な仕事内容がイメージしづらい。

競合職業と比べた訴求力:同じ技術職人材を求める製造業の開発職など、イメージ・待遇面でより魅力的な仕事と競合していることも影響していると考えられる。

労働環境の快適性の低さ:基本は屋内作業であるが、天井内や地下設備室などの狭く空調が効かない場所で、窮屈な姿勢での作業があるため環境ストレスは大きい。また、日常点検の仕事は規則的だが、工事や故障トラブルなどの突発的な仕事がストレスとなりうる。

対人スキルが必要:仕事の性質として「コミュニケーションの多さ」のスコアが61とあるとおり、安全確保・トラブル防止のための声かけや連絡・報告、関係者との連携においてコミュニケーション能力や折衝能力が求められる。現場によっては別会社から派遣された警備員・清掃員などとの関係構築も必要になり、人によっては就業の障壁となる場合がある。

人手不足解消の方向性

職業の認知度が低く仕事内容が具体的にイメージしづらいことは、新卒などの若年層はもちろん主力層である異業種からのキャリアチェンジ組にとっても不安材料となるはずであり、仕事内容や魅力の認知を高める取り組みが必要である。専門性を磨き、キャリアアップしながら安定して生涯働ける設備管理の優位性を周知することが、人手不足解消の第一歩となるはずだ。

同時に、求められるスキルの高さが就業の間口を狭めている面もあるため、資格の必要なタスクと不要なタスクに分解してそれぞれ雇用するといった施策は有効かもしれない。機械化と並行して、人にしかできない作業を難易度別に細分化・組み合わせながら効率的に人員を配置するとともに、単純作業要員も長期的にはスキルを身に着けられるよう育成体制を構築することができれば将来への備えとなるだろう。

3.4.  工事(職人)

業界的に個人事業主(一人親方)の請負仕事が多く、売り手市場であるため、現場によっては人を集められない場合が発生している。高齢化が進んでいるため将来的にはより厳しくなると見込まれる。現在すでに外国人(特定技能実習生)がいなければ成り立たない状況だが、ベテランの日本人職人にしかできない作業などもある。そもそも、日本経済の先行きや内外の相対的な賃金の差によっては、外国人にとって日本が働きたい国であり続けられるか不確定な面もある。

背景・要因

収入の不安定さ:個人事業主は出来高制で、現場によって報酬に差があるため収入が安定せず、平均すると仕事の負荷に対して低収入になる懸念がある。天候の影響を受ける屋外工事(土木工事や建築工事など)ほどではないものの、内装工もテナントの移転によって仕事が発生するため繁閑差があり、それが雇用と収入の不安定さにつながっている。また、請負の職人が工事に使う消耗品(釘やパテなど)を自前で用意する慣習が一部に残っており、生活を圧迫する一因となっている。

教育制度の不足と属人化:昔ながらの職人気質が残っていることや、個人事業主が多く組織的な教育制度がないため、未経験者を育成する土壌が乏しい。組織に属していても技術のある人に仕事が集中するため、そういう人は休みづらく過重労働になりやすい。

労働環境の快適性の低さ:オフィスビル内の工事は土日や竣工前に行うため空調が稼働しておらず、近年は猛暑下での作業の厳しさが増している。また、屋外工事と比べると身体的な危険度は低いものの、屋内でも怪我や埃っぽい現場で働くことの健康被害などのリスクはあり、昔から工事の仕事全般に対して持たれている「3K(キツイ・汚い・危険)」のイメージはいまだ根強い。

人手不足解消の方向性

業界の持続可能性のためには、高齢のベテラン頼みの現状を脱却して若年層を取り込み、長期的に育成していける土壌が必要である。売り手市場の若年層が肉体的負荷の高い仕事を避けることは必然であり、まずは労働環境を改善して「3K」のイメージ払拭に取り組むことが重要だろう。土木や建築といった他の工事と比べ、オフィスビル内の工事の仕事は安定性や安全性の面で優位である。空調が使えないなど改善が難しい点はもちろんあるが、そういったデメリットを補えるだけの賃金や、長く働けば昇格できるキャリアプランを提示し、働く人を大切にする価値観を業界全体で醸成していかなければならない。

また、個人事業主の多さが収入の不安定さや過重労働、教育体制の乏しさなどにつながっているため、職人を雇用して会社組織化することも有効であると考えられる。組織化の取り組みはすでに広がりつつあり、安定性やワークライフバランスを重視する若い世代に受け入れられている。組織化すれば設備管理同様、タスクを細分化して得意な作業だけを担当するチームワーク制も可能となり、即効性の高い人手不足対策となるかもしれない。タスクの分解は、力仕事には不向きだが細かい作業が得意な女性など、今まで対象外であった人の参入を促す切り札ともなりうる。

4.  おわりに

オフィスビルの現場における人手不足問題がこのまま深刻化すれば、ビル所有者や投資家はさまざまなビジネス上の困難に直面することになる。管理費や修繕費などのコスト上昇はもちろん、テナント入退去時の工事の遅れや、サービス品質の低下・簡素化を余儀なくされ、それらはテナントの不利益に直結する。今後は人手不足問題への対処に取り組むビルとそうでないビルとの間で競争力の差が拡大し、優勝劣敗が今以上に顕著になっていくだろう。

対策としては、働く人の価値観やライフスタイルに合致した魅力的な仕事づくり・職場づくりを進め、①現在働いている人の満足度を高めて離職を減らすと同時に、②これまで対象としていなかった層の新規参入(労働移動)を促すことが重要となる。特に、今回の4職業ではすでに高齢化が進んでいるため②の成否が鍵となる。

新しい層に来てもらうためには、今よりも幅広いタイプの人にマッチし受け入れられるように仕事と雇用を変えていく必要があるだろう。従来は職業と属性が固着していた(清掃のおばさん、警備のおじさん)ため、固定的なペルソナを想定して仕事と雇用が規定されていたが、第2章で整理した各職業の課題からは、総じて雇用パターンの多様化とタスクの細分化がポイントとなりそうなことがわかってきた。「高度な仕事/単純作業」「フルタイム/パートタイム」「キャリア志向/私生活志向」といったワーカーの個性やニーズの多様化に合わせて多様な就業オプションを用意できれば、人材の供給源が広がり、今までなら他の職業を選んでいた人の選択肢に上がることができるかもしれない。

もちろん、今いる人に長く働いてもらうにも新しい人を呼び込むにも、社会経済状況に即した処遇や労働環境の改善に取り組むことは大前提である。それを実現するためには、オフィス不動産ビジネスに関わるすべての関係者が現在の危機的状況を理解し、過去の常識が通用しなくなりつつあることを認識する必要がある。旧態依然とした業界だからこそ慣習にとらわれず、働く人の視点に立って物を考えることが、人手不足問題解消への第一歩となるだろう。

第2章「仕事の性質(レーダーチャート)」の概要

出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.1.8」職業情報提供サイトjob tag(日本版O-NET)より2023年3月31日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)をザイマックス総研にて加工して作成。元データには全494職業の「仕事の性質」を表す39項目について、JILPTが平成30年および令和元年に実施したWeb就業者調査(各職業60名、有効回答約2万6,000人)に基づく点数が設定されている。

スコア算出方法:計算手法はJILPT(2012)とAcemoglu and Autor (2011)の方法を援用し、以下の手順で算出している。【手順1】日本版O-NET数値プロフィール領域データの「05 仕事の性質」39項目についてk-means法によりクラスタリングを行い、①仕事の不規則さ(例:ルーチンなし、天候で中止、季節性)、②心身の健康への悪影響(窮屈、病気リスク)、③身体的に危険な度合(火傷、切り傷、暴力)、④コミュニケーションの多さ(対面、電話、チーム)、⑤作業環境が快適でない(屋外、立ち、走行)、⑥責任の重さ(ミス、厳密、結果責任、意思決定)の6カテゴリに分類する【手順2】494種類の職業ごと、6カテゴリごとに数値データを単純合計する【手順3】合計した数値を平均50、標準偏差10となるようにスケーリングし、職業の偏差値を求めたものをスコアとした。

参考文献

Acemoglu, D., & Autor, D. (2011). Skills, tasks and technologies: Implications for employment and earnings. In Handbook of labor economics (Vol. 4, pp. 1043-1171). Elsevier.

厚生労働省.職業情報提供サイトjob tag(日本版O-NET).https://shigoto.mhlw.go.jp/User (accessed on 2024.3.14)

ザイマックス不動産総合研究所. (2023). 人手不足問題の解決に向けて(第 1 回) ~ノンデスクワーカーの実態と課題~

ザイマックス不動産総合研究所. (2023). 人手不足問題の解決に向けて(第 2 回)~ノンデスクワーカーはどれだけ不足するのか~

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参考:働き方×オフィス 特設サイト

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