2018.12.12
【東京23区】オフィス新規供給量 2019
ザイマックス不動産総合研究所(以下、ザイマックス総研)は、今般、東京23 区のオフィス新規供給量2019を公表する。新築されるオフィスの賃貸面積を集計したオフィス新規供給量(以下、供給量)は、オフィスマーケットの需給バランスへの今後の直接的な影響をみるものであり、ザイマックス総研では、東京23区および大阪市で毎年竣工する延床面積3,000坪以上の主な用途がオフィスであるビルを対象に、オフィス賃貸面積を集計している。なお、同日に大阪市版(*1)も発表している。
(*1) 2018年12月12日公表「【大阪市】オフィス新規供給量2019」
- ・ 2019年は15.9万坪、2020年は23.7万坪の供給が予定されているが、2021年、2022年の供給量はともに現時点で2009年以降最小の10.2万坪、5.3万坪となる見込み【図表 1】。
- ・ 2019~2022年の供給量は、年平均13.8万坪となり、過去10年平均の17.2万坪を下回る見込み。
- ・ 2019~2022年の供給量の63%が都心3区の千代田区・中央区・港区に集中している。
- ・ 東京23区の供給量(2019~2022年)の2018年末オフィスストックに対する割合(新規供給率)は、4.4%(年平均1.1%)程度になる見込み。
【図表1】東京23区供給量(賃貸面積)
1. 東京23区のオフィス新規供給量
東京23区における延床面積3,000坪以上のオフィスビルの供給量は、2019年は15.9万坪の供給が予定されており、2009年から2018年の年平均17.2万坪(以下、過去10年平均)を下回る見込みである。また、2020年は23.7万坪前後の供給が予定されており、過去10年平均を上回る見込みだ。
一方で、2022年の供給量は現時点で2009年以降では最小となる5.3万坪の予定となっている。2019年から2022年の年平均は13.8万坪となり、過去10年平均を下回り、前回公表(*2)の2018年から2021年までの年平均18.0万坪をも下回る結果となった。
延床1万坪以上の大規模物件をみると、2019年は、四谷の大型開発の竣工予定が2020年に変更されたことと自社ビルの案件が複数あったため、前回公表時から2.9万坪減って13.8万坪が供給される予定である。また、2020年には過去最大規模の22.5万坪の大量供給が予定されている。一方で2021年・2022年ともに供給量が9.2万坪、4.8万坪と少ないため2019年から2022年までの年平均供給量が12.6万坪となり、2009年から2018年の大規模物件の年平均13.3万坪を下回る見込みである。
なお、東京23区の2018年末オフィスストックに対する供給量(2019~2022年)の割合である新規供給率は、4.4%(年平均1.1%)相当となる。
2. エリア別の新規供給量
エリア別にみると、2019年から2022年の供給全体の63%が都心3区の千代田区・中央区・港区に供給される予定である。都心5区(都心3区+渋谷区+新宿区)に広げると、全体の79%が供給される予定であり、都心部に供給が集中している【図表2】。
【図表2】エリア別供給量(2019-2022年)
主なエリアの特徴は以下のとおり。
● 虎ノ門は、環状2号線や地下鉄新駅、バス高速輸送システム(BRT)等のインフラ整備や、ホテル・医療施設など一体的な再開発が行われており、今後も大規模な再開発による供給が続く。
● 都心部の中心である丸の内・大手町・有楽町は、2018年に大手町プレイスや丸の内二重橋ビル、東京ミッドタウン日比谷が竣工したため、前回公表の2018年から2021年までの年平均に比べ1/2程度の5.4万坪の供給量に落ち着いている。また、2020年に大規模開発が複数予定されているが自社ビルのため供給量には反映されていない。
● 日本橋・八重洲・京橋では2022年に八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業による大型の供給が予定されている。
● 渋谷や神南・宇田川町・道玄坂では、2019年に複数の大規模開発による供給が予定されている。
調査時点
2018年11月
調査エリア
東京23区
対象物件
延床面積3,000坪以上、主な用途がオフィス(原則、自社ビルを除く)
集計対象
オフィス賃貸面積(坪)
調査方法
新聞記事など、一般的に公開されている情報を基に、一部現地調査ならびに事業者にヒアリングを実施
英語版:News & Research
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