供給・ストック

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2017.12.07

【東京23区】オフィス新規供給量2018・オフィスピラミッド2018

ザイマックス不動産総合研究所は、今般、東京23 区のオフィス新規供給量2018とオフィスピラミッド2018を公表する。新築されるオフィスの賃貸面積を集計したオフィス新規供給量(以下、供給量)は、オフィスマーケットの需給バランスへの今後の直接的な影響をみるものである。また、マーケットに存在するオフィスの賃貸面積の合計面積を集計したオフィスピラミッドは、オフィスビルを大規模と中小規模別に、築年ごとのストック量(賃貸面積、棟数)を比較したもので、大規模と中小規模ビルのバランスや築年構成などをみることができる。

主な調査結果

【東京23区】オフィス新規供給量2018

  • ・2018年から2020年の供給量は、各年20万坪前後と比較的大規模な供給が予定されているが、2021年の供給量は現時点で2008年以降最少の8.7万坪となる見込み。
  • ・2018年から2021年の供給量は、年平均18.0万坪となり、過去10年平均の17.3万坪を上回る見込み。
  • ・2018年から2021年の供給量の65%が都心3区の千代田区・中央区・港区に集中している。
  • ・東京23区の供給量(2018~2021年)の2017年末オフィスストックに対する割合(新規供給率)は、5.8%(年平均1.5%)程度になる見込み。

【東京23区】オフィスピラミッド2018

  • ・2018年末のオフィスストックは賃貸面積ベースで1,261万坪、うち、中小規模ビルが594万坪(47%)、大規模ビルが668万坪(53%)と、中小規模と大規模がほぼ同量となっている。
  • ・棟数ベースでは8,899棟、うち中小規模ビルが8,162棟と9割以上を占める。 
  • ・平均築年数はストック全体で30.0年、中小規模ビルが30.7年、大規模ビルが23.0年と、中小規模ビルにおいて特にストックが高齢化している。
  • ・2000年と比較すると、賃貸面積では約300万坪(約31%)、棟数では約500棟(約6%)増加した。

【東京23区】オフィス新規供給量2018

東京23区における延床面積3,000坪以上のオフィスビルの供給量は、2018年から2020年は各年20万坪前後の供給が予定されており、2008年から2017年の年平均17.3万坪(以下、過去年平均)を上回る見込みだ【図表1】。一方で、2021年の供給量は現時点で2008年以降では最小となる8.7万坪の予定となっている。2018年から2021年の年平均は18.0万坪となり、過去年平均より上回るものの、前回公表*1の2017年から2020年までの年平均18.1万坪と同程度の結果となった。

延床1万坪以上の大規模物件をみると、2018年から2021年までの年平均供給量が16.4万坪となり、過去年平均13.2万坪を上回る見込みである。2020年には22.2万坪の大量供給が予定されている。

なお、東京23区の2017年末オフィスストックに対する供給量(2018~2021年)の割合である新規供給率は、5.8%(年平均1.5%)相当となる

【図表1】東京23区供給量(賃貸面積)




エリア別にみると、全体の65%が都心3区の千代田区・中央区・港区に供給される予定である。主なエリアの特徴は以下のとおり【図表2】。

●都心部の中心である丸の内・大手町・有楽町は、11.5万坪と供給量が最も大きい。このエリアは連鎖的な再開発による建替えが続いている。

●虎ノ門エリアは、環状2号線や地下鉄新駅、BRT等のインフラ整備や、ホテル・医療施設など一体的な再開発が行われており、今後も大規模な再開発による供給が続く。

●芝浦・海岸は、従前はオフィス用途以外のエリアだった。大規模な再開発による供給が予定されている。

【図表2】エリア別供給量(2018-2021年)

【東京23区】オフィスピラミッド2018

オフィスピラミッドとは、男女別に年齢ごとの人口を表した「人口ピラミッド」に倣い、延床面積300坪以上のオフィスビルを大規模と中小規模に分け、築年ごとにストック量(賃貸面積、棟数)を比較したものである。大規模と中小規模ビルのバランスやそれらの築年構成などをみることができる。

1.大規模と中小規模のバランス

2018年末時点の東京23区オフィスストックは賃貸面積ベースで1,261万坪である。うち、延床面積5,000坪未満の中小規模ビルは594万坪であり、ストック全体の47%を占める。延床面積5,000坪以上の大規模ビルは668万坪と53%を占め、賃貸面積では大規模ビルと中小規模ビルがほぼ同じ面積となっている【図表3】。

ストック全体の平均築年数は30.0年となった。規模別では、中小規模ビルが30.7年、大規模ビルが23.0年と、中小規模ビルにおいて特にストックが高齢化している。

【図表3】東京23区オフィスピラミッド2018(賃貸面積ベース)

※端数処理のため、合計が一致しない場合がある。


一方で、棟数ベースでは東京23区全体で8,899棟、うち中小規模ビルが8,162棟と全体の92%、大規模ビルは737棟と全体の8%を占めている【図表4】。

【図表4】東京23区オフィスピラミッド2018(棟数ベース)

中小規模ビルはバブル期に竣工した物件(1986~1997年竣工。築21~32年)が多く、築20年以上が486万坪と8割を超える。バブル期以降は供給量が少なく、築20年未満は107万坪となった。棟数でみても、築20年以上が7,077棟、築20年未満が1,085棟と、築20年以上のオフィスビルが多数を占めている。

大規模ビルは築20年以上が334万坪、築20年未満が333万坪とほぼ同量である。棟数でみても、築20年以上が408棟と、築20年未満の329棟をやや上回っていものの、その差は小さく、バブル期以降も供給が続いてきたことがわかる。

2.2000年との比較

2000年時点でのオフィスピラミッドが【図表5】である。2000年末時点のオフィスストックは賃貸面積ベースで965万坪、うち中小規模が559万坪、大規模が406万坪と、やや中小規模の方が多かった。

築年で見ると、中小規模、大規模ともに築20年未満が6割を超えていた。棟数では、中小規模が7,913棟と94%、大規模が496棟と全体の6%を占めていた。

築年数は全体で16.7年、中小規模が16.7年、大規模が17.0年と、大規模と中小規模に大きな差はない。

【図表5】東京23区オフィスピラミッド2000(賃貸面積ベース)

2000年と2018年を比較したものが【図表6】である。東京23区全体では、2000年から2018年にかけて賃貸面積ベースで約300万坪(約31%)、棟数ベースで約500棟(約6%)の増加となった。

規模別でみると、大規模ビルはバブル崩壊後も毎年一定量の供給があり、賃貸面積ベースで約65%、棟数ベースで約49%増加し、築20年以上と築20年未満がほぼ半々となっている。

一方、中小規模ビルはバブル期の大量供給以降、低水準の供給が続いており、賃貸面積で約6%、棟数で約3%の増加となった。その結果、2000年には賃貸面積・棟数ともに築20年未満が6割を超えていたが、2018年末には2割を切った。

平均築年は、2000年から2018年にかけて、中小規模で16.7年から30.7年と高齢化が進んだのに対し、大規模では17.0年から23.0年と、6年の延びにとどまった。

【図表6】東京23区オフィスピラミッド2000と2018(賃貸面積ベース)



今後も大規模ビルは新規供給が続き、同規模間の競争が一層激しくなると予想される。また、中小規模ビルは高齢化がさらに進み、適切な機能更新、改修などの良質なストック形成への取り組みが必要となるだろう。

調査概要

オフィス新規供給量

●調査時点

 2017年11月

●調査エリア

 東京23区

●対象物件

 延床面積3,000坪以上、主な用途がオフィス (原則、自社ビルを除く)

●集計対象

 オフィス賃貸面積(坪)

●調査方法

 新聞記事など、一般的に公開されている情報を基に、一部現地調査ならびに事業者にヒアリングを実施


* 本調査は新たに供給される建物の面積を対象としている。また、全数調査ではないことに留意。
* 賃貸面積は、公表されている場合は当該面積を採用し、公表されていない場合は京都大学大学院工学研究科建築学専攻加藤直樹研究室との共同研究で導き出された計算式により、延床面積から推計した面積を採用した。
* 本供給量は調査時点期間での推計値であり、日々情報が追加、更新されるため、供給量の数値は変動する。


オフィスピラミッド

●調査時点

 2017年11月

●調査エリア

 東京23区

●対象物件

 オフィスピラミッド2018:2018年末時点において、延床面積300坪以上、1946年以降に竣工した(予定含む)主な用途が事務所のオフィスビル
オフィスピラミッド2000:2000年末時点において、延床面積300坪以上、1946年以降に竣工した主な用途が事務所のオフィスビル(2001年~2017年に滅失した物件を含む)

●集計対象

 <大規模>延床面積5,000坪以上、<中小規模>延床面積300坪以上5,000坪未満のオフィスビルの棟数およびオフィス賃貸面積(坪)


* 収集データは、新聞記事など一般に公開されている情報のほか、賃貸募集(過去を含む)された情報などをもとに築年が判明している物件を対象として集計した。なお、原則自社ビルを除いている。
* 建替えや滅失したケースは把握できたものを集計に反映している。
* 本調査は調査時点での集計値であり、日々情報が追加、更新される。したがって、昨年度公表数値との差異は必ずしも新規竣工または滅失によるものではない。
* 2018年に関しては、2017年11月時点で竣工予定日が判明しているものを対象とした。
* 賃貸面積は、公表されている場合は当該面積を採用し、公表されていない場合は京都大学大学院工学研究科建築学専攻加藤直樹研究室との共同研究で導き出された計算式により、延床面積から推計した面積を採用した。
* 旧耐震ビルとは、1981年新耐震設計法が施行される前の設計法に基づき建てられたビル。本稿では1981年以前に竣工のビルを旧耐震ビルとした。
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