建物管理・修繕・エネルギー
2017.03.03
オフィスビルエネルギー消費量及びコスト調査(2016年12月まで)
エネルギー消費量は横ばい、エネルギーコスト・単価の減少傾向続く
ザイマックス不動産総合研究所は、首都圏オフィスビルを対象に、「オフィスビルエネルギー消費量及びコスト」を継続的に調査しており、昨年12月には、2010年1月から2016年9月までの結果を発表した。今回は、さらに2016年12月までのオフィスビルエネルギー消費量及びコストについて調査した結果を公表する。
《調査結果》
- ■エネルギー消費量:
前回調査(2016年9月まで)からほぼ横ばい - ■エネルギー単価:
2015年3月を境に下落傾向に転じ、前回調査(2016年9月まで)から5pt減 - ■エネルギーコスト:
消費量・単価の下落に伴いコストも減少し、前回調査(2016年9月まで)から3pt減
1.オフィスビルエネルギー及びコストの12か月平均値の推移
図表1はエネルギー消費量・単価・コストの12か月移動平均の推移である。エネルギー単価(点線)は2015年3月から減少を続けている。エネルギー消費量(破線)は前期からほぼ横ばい。単価の下落に伴い、エネルギーコストも減少を続けている。
【図表1】エネルギー消費量・単価・コストの過去12か月平均値の推移
2.エネルギー消費量・単価・コストの年平均の推移
図表2は消費量の推移を示している。2016年平均は134.4MJ/㎡・月と、2010年比で約19%程度の消費量減少となっている。
【図表2】エネルギー消費量(MJ/㎡・月)の推移
図表3は単価の推移を示している。2010年の調査開始以降、2014年まで継続して上昇していた単価が2015年で下落し、今年も引き続き下落した。2015年4月から継続して電気・ガスの原燃料調整費が下落していることが主な要因と推察される。
【図表3】エネルギー単価(円/MJ)の推移
図表4はコストの推移を示している。震災以降の増加傾向が2015年では下落に転じ、今年はさらに2011年の水準まで下落した。
【図表4】エネルギーコスト(円/㎡・月)の推移
調査概要
【調査期間・対象】
- 期間:2009年4月~2016年12月(93ヶ月)
- 対象:ザイマックスグループが運営する首都圏の一般的な賃貸オフィスビルのうち、有効なデータが得られた約100棟
【算出方法】
- A 各月のエネルギー消費量・エネルギー単価・エネルギーコスト
- ① ビル毎に電気・ガス・熱・油類の消費量及び支払金額(税抜)を集計
- ② ①の各エネルギー消費量をMJ(一次エネルギー量)に換算し、合計する
- (換算係数は下記を使用)
-
電気:9.76MJ/kWh 都市ガス:45MJ/m3 冷水・温水・蒸気:1.36MJ/MJ 直接蒸気:2.68MJ/kg A重油:39.1MJ/L
- ③ エネルギー消費量( MJ / ㎡・月 )
- ⇒②で求めた消費量合計を、空室を除いた延床面積で除す
- エネルギー単価( 円 / MJ )
- ⇒①で求めた支払金額合計を、②で求めた消費量合計で除す
- エネルギーコスト( 円 / ㎡・月 )
- ⇒①で求めた支払金額合計を、空室を除いた延床面積で除す
- ④ ③で求めたそれぞれについて、調査対象の平均値を求める
- B 12か月平均値
- ① 各月について、Aで求めた消費量・単価・コストの過去12か月間の平均値を算出
- ② 2010年12月時点の数値を100として指数化
【備考】
- ・本データの「月」はエネルギー供給会社の検針作業上の月で、ビル毎・供給会社毎に異なる
- ・本調査では、継続性・正確性を期すため、空室を除いた延床面積を用いている
※前回調査は2016年12月2日付けレポート「オフィスビルエネルギー消費量及びコスト調査(2016年9月まで)」を参照
※データを見直した結果、一部数値を前回発表値より修正している。
※当レポート記載の内容等は作成時点のものであり、正確性、完全性を保証するものではありません。
※当社の事前の了承なく、複製、引用、転送、配布、転載等を行わないようにお願いします。
レポートに関するお問い合わせ
- ザイマックス不動産総合研究所
- TEL: 03 3596 1477
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