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2017.02.01

オフィスマーケットレポート 東京 2016Q4

まとめ
  • ・今期(2016年12月期)の東京23区オフィスマーケットは、企業の好調な業績や人員増からオフィス床の需要は堅調に推移し、空室率の低下、成約賃料の上昇が続いている。ただし、賃料の上昇スピードは緩やかで、大規模ビルなどの一部に募集条件を見直すビルがみられた。
  • ・空室率は前期と比べ0.23ポイント下降して3.85%となった。今期より新たに公表する空室増減量は、減少が23.8万坪、増加が21万坪と、空室の減少が増加を上回った。
  • ・新規賃料の水準を示す新規成約賃料インデックスは107と前期と比べ3ポイント上昇した。また、新規賃料が上昇した物件の割合から下落した物件の割合を引いた成約賃料DIは+18で前期と比べ3ポイント下落した。
  • ・新規と継続賃料の両方を含む支払賃料インデックスは86と前期と比べ2ポイント上昇した。
  • ・平均フリーレント月数は2.8か月と前期と比べ0.3か月減少した。付与率もすべての期間区分で低下している。

空室

図表1は、2011年から東京23区の空室率の推移である。2016年第4四半期の空室率は前期から0.23ポイント下降して3.85%となった。2012年第3四半期以降、空室率の下降傾向が続いている。

図表1:空室率

1702-office_market_report_q4_2016_fig1

好調な企業業績や社員の増加を反映して、オフィスを拡張する企業は依然多く、周辺18区までオフィス需要が広がってきた。スペースの確保に加え、働く人の快適性を重視したビル選びが行われている。情報通信業、金融・保険業や不動産業などでは、今後の採用を有利に進めるため、ビルグレードや立地を改善したいというニーズがあった*1。

図表2は、四半期ごとの期間における空室の増加面積と減少面積(空室増減量)の推移である*2。今期は旺盛なオフィス需要を背景に、23.8万坪の空室が減少し、増加した空室の21万坪を上回る需要があった。2014年第4四半期以降、7期連続して空室増加を超えるオフィス需要が続いている。空室率が継続して低下しているため、期中における空室の増減面積も減少傾向が続いている。

図表2:空室増減量

1702-office_market_report_q4_2016_fig2



新規成約賃料

図表3は、新規賃料の水準を示す新規成約賃料インデックス(東京23区)の推移である。2016年第4四半期は107と前期の104から3ポイント上昇し、新規成約賃料は2012年第2四半期の76をボトムに上昇傾向が続いている。依然として需給はひっ迫しており、新規成約賃料の上昇につながっている。

図表3:新規成約賃料インデックス

1702-office_market_report_q4_2016_fig3

図表4は規模別の新規成約賃料インデックスの推移である。延床面積5,000坪未満の中小規模物件は107と前期から3ポイント上昇した一方で、延床面積5,000坪以上の大規模物件は109と前期から2ポイント下落した。

図表4:規模別の新規成約賃料インデックス

1702-office_market_report_q4_2016_fig4

大規模物件の中には、残り僅かとなった空室をより高値の賃料で募集する動きがみられたが、テナントがなかなか決まらず賃料水準を下げるビルもあった。近年、大規模物件の新規供給が続き、大規模物件間においても築年やエリアによる格差が生じ、競争が激化しつつある。

図表5、図表6は、新規成約賃料の変化の方向性を示す成約賃料DI(東京23区、都心3区)の推移である。今期は、東京23区は「+18」と前期から3ポイント下落、都心3区は「+15」と前期から3ポイント下落した。成約賃料DIは7期連続してプラス圏にあり、新規賃料が上昇した物件が下落した物件より多い状況で推移している。ただし、DIの水準は20前後で横ばい傾向が続いている。

図表5:成約賃料DI(東京23区)

1702-office_market_report_q4_2016_fig5

図表6:成約賃料DI(都心3区)

1702-office_market_report_q4_2016_fig6

23区全体の空室面積が少なくなってきたため、企業はオフィスが手狭になり移転しようとしても、希望条件に合致したビルをみつけることが困難な状況になっている。そのような中、入居している執務スペースの使い方を工夫して移転時期を遅らす、あるいは必要なオフィススペースを本社から離れた分室で設置するといった企業もでてきた。

2018年以降に大規模ビルの大量供給が見込まれるため、新築ビルにテナントが移転した後、二次空室となったビルの募集条件をみた上で移転を検討したいとする大型テナントもでてきた*3。


支払賃料

図表7は新規賃料と継続賃料の両方を含む支払賃料インデックス(東京23区)の推移である。

図表7:支払賃料インデックス

1702-office_market_report_q4_2016_fig7

2016年第4四半期は86となり、前期と比べ2ポイント上昇した。2013年第3四半期以降、緩やかな上昇傾向を続けている。入居時の新規賃料の上昇だけでなく入居しているテナントの賃料値上げが行われており、支払賃料の上昇につながっている。


フリーレント

図表8は、新規契約のうちフリーレントを付与した割合(付与率)と、フリーレント期間の平均値(平均フリーレント月数)の推移である。

図表8:フリーレント

1702-office_market_report_q4_2016_fig8

2016年第4四半期の平均フリーレント月数は、全契約平均が2.8ヶ月、フリーレントあり契約平均が4.2ヶ月と、それぞれ0.3ヶ月、0.5ヶ月減少した。また、フリーレント付与率も期間区分の全てで減少している。

前期は、空室期間が長期化していたビルの事例の影響でフリーレントは長くなったが、今期は再び減少した。ただ、需給はひっ迫した状況が続いているにもかかわらず、フリーレント期間や付与率の減少傾向は緩やかに推移している。


マーケットの循環

図表9は、横軸に空室率、縦軸に新規成約賃料インデックスをとって、四半期ごとにプロットしたものである。

図表9:マーケット循環

1702-office_market_report_q4_2016_fig9

図上では、2001年以降右下方向(空室率上昇・賃料下落)に移動し、2003年から2004年の停滞期を経て、2005年以降左上方向(空室 率低下・賃料上昇)へ移動し、2008年以降再び右下(空室率上昇・賃料下落)方向へ移動、とマーケットが循環しながら推移する様子が観察できる。

2013年以降オフィス賃貸マーケットは回復期に移行し、2016年時点でもその傾向は継続している。前期同様、新規成約賃料が上昇、空室率が低下し、今期もやや左上方へ移動し、市況の改善が続いている。

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