マーケット指標
2014.07.15
2013年度のフリーレントは横ばい(東京23区)
ザイマックス不動産総合研究所は、オフィスビルの新規契約におけるフリーレントの実態を表す指標、フリーレント付与率およびフリーレント指数について、2013年度の結果をまとめた。2013年度のフリーレント付与率は「61%」と、2012年度と比較し横ばい(図表1)だった。また、フリーレント指数は「138」と前年度と比較し、5ポイント下落した。マーケットが回復しつつある中、減少傾向が進むと思われたフリーレントは、わずかにその期間を短縮したにとどまった。
背景として、オフィス需要が回復しつつある状況を見たビルオーナーによる、早期の稼働率アップを狙う動きなどがある。当社が四半期ごとに公表している成約賃料DI* においても、2013年は賃料が下落する物件も相当割合確認されたが、これらの中には割安な賃料を設定することでテナント確保を優先したケースも多く見られた。フリーレントも含め、賃料条件に柔軟に対応することでテナント誘致を促進し、長らく抱えていた空室の埋戻しに成功、満室稼働に至った物件も少なくない。【図表1】新規契約におけるフリーレントの推移(東京23区)
フリーレント付与率・フリーレント指数
ザイマックスグループが独自に収集した成約データ(館内拡張などを除く、新規入居契約)のうち、2か月以上のフリーレントが設定された契約の割合をフリーレント付与率として算出。また、すべての契約におけるフリーレント期間(フリーレント無しも含む)の平均を、2003年度を100とした場合と比較したものをフリーレント指数としている。
* 2014年5月8日公表「成約賃料DI(2014年第1四半期)」参照