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2025.01.24

ホテルの人手不足に関する実態調査

~人手不足問題の解決に向けて(第 6 回)~

ホテルは宿泊客対応、宴会・料飲、客室清掃、リネンサプライ、施設管理といった様々なノンデスクワーカーによって支えられている代表的なオペレーショナルアセットの一つである。また、医療・福祉、建設、物流など社会活動を支える産業で人手不足がクローズアップされている中、ホテルにおいても人手不足は大きな課題となっている。

そこで、ザイマックス不動産総合研究所では、早稲田大学建築学科石田航星研究室と共同で、2024年11月に全国のホテルを対象に人手不足に関するアンケートを実施した。本資料はその<概要版>として一部を抜粋したものである。

※なお、本レポートの第2弾としてホテルタイプ別の集計結果を2025年2月に公表予定である。

※<概要版>PDFはこちら

※<詳細版>PDFはこちら

主な調査結果
  • ・ 人手不足の状況については、宿泊客対応では73%、宴会・料飲では71%が「とても不足・やや不足」と回答した【図表1-1】。
  • ・ 業務の委託単価については、客室清掃、リネンサプライでは76%、施設管理では52%のホテルが「上がっている」と回答した【図表1-2】。
  • ・ 人手不足の対策としては、「賃金水準のアップ」が77%と最も高く、次いで「賃金以外の労働条件の改善」となった【図表2】。
  • ・ 今後のホテル運営の不安・懸念としては「従業員の採用・教育の難しさ」が78%と最も高く、次いで「従業員の賃金上昇」や「建物や設備の老朽化」が挙げられた【図表3】。

<調査概要>

調査期間:2024年11月20日~12月15日

調査対象:ザイマックス不動産総合研究所が保有するリストに基づく全国のホテル6,446施設

有効回答数:528件(回答率:8.2%)

調査地域:全国

調査方法:郵送・web回答による


topic 1

宿泊客対応と宴会・料飲対応について、業務委託の状況をたずね、そのうち「自社のみ」「自社と業務委託」と回答したホテルに対して、人手不足の状況をたずねた結果が【図表1-1】である。

「とても不足・やや不足」と回答した割合は、宿泊客対応で73%、宴会・料飲で71%と、多くのホテルで人手不足であることが分かる。

【図表1-1】人手不足の状況

客室清掃、リネンサプライ、施設管理について、業務委託の状況をたずね、「業務委託のみ」「自社と業務委託」と回答したホテルに対して、委託単価の変化をたずねた結果が【図表1-2】である。

客室清掃、リネンサプライでは76%、施設管理では52%のホテルが「上がっている」と回答した。

【図表1-2】委託単価

topic 2

ホテル全体の人手不足の対策についてたずねたところ、「賃金水準のアップ」が77%と最も高く、次いで「賃金以外の労働条件の改善」となった【図表2】。宿泊客対応の人手不足の原因として「賃金水準」があがっていたことからも、賃金水準の改善は人手不足対策として有効だと考えているホテルが多いようだ。

【図表2】人手不足の対策(n=528)

topic 3

今後のホテル運営における不安・懸念事項についてたずねたところ、「従業員の採用・教育の難しさ」が78%と最も多く、次いで「従業員の賃金上昇(最低賃金、アルバイトの社会保障負担など)」、「建物や設備の老朽化」、「建物維持管理のコストの上昇」となった。

【図表3】今後のホテル運営における不安・懸念(n=528)


レポート内のグラフに関して
・構成比(%)は、小数点第2位を四捨五入しているため内訳の合計が100%にならない場合がある。
※当レポート記載の内容等は作成時点のものであり、正確性、完全性を保証するものではありません。
※当社の事前の了承なく、複製、引用、転送、配布、転載等を行わないようにお願いします。

参考:働き方×オフィス 特設サイト

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