建物管理・修繕・エネルギー
2015.12.09
オフィスビルエネルギー消費量及びコスト調査(2015年9月まで)
~エネルギー単価が下落しコストは減少、エネルギー消費量は依然横ばい~
ザイマックス不動産総合研究所は、首都圏オフィスビルを対象に、「オフィスビルエネルギー消費量及びコスト」を継続的に調査しており、今年9月には、2010年1月から2015年6月までの結果を発表した。
今回は、さらに2015年9月までのオフィスビルエネルギー消費量及びコストについて調査した結果を公表する。
《2015年9月時点での調査結果(図表1)》
- ■エネルギー消費量:
- 2011年以降継続した水準のまま、ほぼ横ばい
- ■エネルギー単価:
- 2015年3月を境に下落傾向に転じ、前回調査(2015年6月まで)から4pt減
- ■エネルギーコスト:
- 単価下落に伴いコストも減少し、前回調査(2015年6月まで)から3pt減
エネルギー消費量・単価・コストの過去12ヵ月平均値の推移【図表1】
- ※各月の数値は単月値ではなく、12ヵ月前~当月までの1年間の平均値を示す
- ※2010年12月時点の数値を100として指数化
- ※エネルギー消費量は、単位をMJ(一次エネルギー量)に換算
- ※消費量、コストは単位面積あたりの数値を算出し、指数化
- ※3つの指標の関係は、コスト=単価×消費量
エネルギー消費量・単価・コストの単月値の推移
【図表2】エネルギー消費量(MJ/㎡・月)の推移
【図表3】エネルギー単価(円/MJ)の推移
【図表4】エネルギーコスト(円/㎡・月)の推移
図表2は消費量の推移を示している。2015年夏季については、震災前である2010年夏季と比較すると50.5MJ/㎡・月減少という結果となった。エネルギー消費量については2011年度から変わらず、ほぼ横ばいの状況が続いている。
図表3は単価の推移を示している。2015年4月から継続して電気・ガスの原燃料調整費が下落を続けた影響などで、単価には前年同季比約11%減となる0.28円/MJの下落がみられた。
また、図表4はコストの推移を示している。エネルギー消費量・単価の変動の結果として、2015年夏季は前年同季比9.7%(35.9円/㎡・月)減少し、震災前の2010年夏季を下回る結果となった。
調査概要
【調査期間・対象】
期間:2009年4月~2015年9月(78ヶ月) 対象:ザイマックスグループが運営する首都圏の一般的な賃貸オフィスビルのうち、 有効なデータが得られた約100棟【算出方法】
- 各月のエネルギー消費量・エネルギー単価・エネルギーコストの算出方法は以下の通り
- ① ビル毎に電気・ガス・熱・油類の消費量及び支払金額(税抜)を集計
- ② ①の各エネルギー消費量をMJ(一次エネルギー量)に換算し、合計する
- (換算係数は下記を使用)
-
電気:9.76MJ/kWh 都市ガス:45MJ/m3 冷水・温水・蒸気:1.36MJ/MJ 直接蒸気:2.68MJ/kg A重油:39.1MJ/L
- ③ A:エネルギー消費量( MJ / ㎡・月 )
- ⇒②で求めた消費量合計を、空室を除いた延床面積で除す
- B:エネルギー単価( 円 / MJ )
- ⇒①で求めた支払金額合計を、②で求めた消費量合計で除す
- C:エネルギーコスト( 円 / ㎡・月 )
- ⇒①で求めた支払金額合計を、空室を除いた延床面積で除す
- ④ ③で求めたA・B・Cそれぞれについて、調査対象の平均値を求める
【備考】
- ・本データの「月」はエネルギー供給会社の検針作業上の月で、ビル毎・供給会社毎に異なる
- ・本調査では、継続性・正確性を期すため、空室を除いた延床面積を用いている
※前回調査は2015年9月2日付けニュースリリース「オフィスビルエネルギー消費量及びコスト調査(2015年6月まで)」を参照
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