2023.12.13
大都市圏オフィスワーカー調査2023①働き方の実態とニーズ編
~ワーカーの働き方と価値観の変化を捉える~
2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行するなど、コロナ禍収束後の世の中へと変容しつつある。
ザイマックス不動産総合研究所(以下、ザイマックス総研)では、企業とオフィスワーカーそれぞれの視点から働き方と働く場所の変化を捉えるため、企業については「大都市圏オフィス需要調査」を2016年秋より計14回、オフィスワーカーについては「首都圏オフィスワーカー調査」を2016年末から計7回実施してきた。今回、第8回目となるオフィスワーカー調査は、調査地域に地方都市を追加し2023年10月に実施した。本ページは調査結果のうち、働き方の実態とニーズに関する結果をまとめたレポートの<概要版>として一部を抜粋したものである。なお、同日公表の「②働き方の評価編」(*1)では、現在の働き方への評価についてフォーカスし分析した結果をまとめている。
- ・ 調査時点でテレワークを少しでも行っている「テレワーカー」の割合をオフィス所在地別にみると、首都圏が最も高く51.4%であった【図表1-1】。ただし、過去調査と比較するとその割合は2021年をピークに減少傾向である【図表1-2】。
- ・ コロナ禍中から現在にかけて出社頻度が「増えた」と回答したワーカーが、各地域で2割超となった。いずれの地域でも、出社頻度が「増えた」割合が「減った」割合を上回っている【図表2】。
- ・ 働き方に関する施策の利用・実施について、現状とニーズを比較すると、「在宅手当」のほか、現状の導入率が低い「勤務先の許可を得た副業・兼業」、「勤務先の許可を得たワーケーション」、「二拠点居住で働く、郊外・地方へ移住して働く」といった比較的先進的な取り組みは各地域共通でギャップが大きい結果となった【図表3】。
- ・ 在籍するオフィス内のレイアウトについて、現状とニーズを比較すると、「食堂・カフェスペース」、「リフレッシュスペース」、「集中するためのスペース」は地域問わずギャップが大きく、ワーカーのニーズに対して整備が追い付いていない状況といえる【図表4】。
<調査概要>
調査期間:2023年10月
調査対象:①スクリーニング調査…職業が「経営者・役員、会社員」の調査対象地域に住む20~69歳の男女を対象に実施
②本調査…スクリーニング調査で職業が「会社・団体の役員、会社員・団体職員」、職種が「管理的職業、専門的・技術的職業、事務的職業、営業職業」、在籍するオフィスが「首都圏(1都3県)、大阪市、名古屋市、福岡市」、住まいが「首都圏(1都3県)、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、福岡県、佐賀県」、現在の主に働いている場所が「オフィス(事務所)、自宅」と回答した人
有効回答数:4,120人
※在籍するオフィスの所在地により割付している
(首都圏:2,060人、大阪市:1,030人、名古屋市:515人、福岡市:515人)
調査地域:首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、岐阜県、愛知県、三重県、
滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、福岡県、佐賀県
調査方法:インターネット調査
<関連調査>
・2022年11月30日公表「首都圏オフィスワーカー調査 2022」
topic 1
調査時点でテレワークを少しでも行っている「テレワーカー」の割合をオフィス所在地別にみると、テレワーカーの割合が最も高い首都圏では、51.4%と半数を超える結果となった。【図表1-1】。地方都市でもテレワーカーが約4割を占めている。首都圏のテレワーク状況について過去調査と比較すると、テレワーカーの割合は2021年をピークに減少傾向である【図表1-2】。
【図表1-1】<オフィス所在地別>テレワーカーの割合
【図表1-2】オフィス出社とテレワークの状況(首都圏、経年比較)
topic 2
コロナ禍中から現在にかけて出社頻度が「増えた」と回答したワーカーが、各地域で2割超となった。いずれの地域でも、出社頻度が「増えた」割合が「減った」割合を上回っている【図表2】。
【図表2】<オフィス所在地別>出社頻度の増減
topic 3
働き方に関する施策の利用・実施について、現状とニーズを比較すると、「在宅手当」のほか、現状の導入率が低い「勤務先の許可を得た副業・兼業」、「勤務先の許可を得たワーケーション」、「二拠点居住で働く、郊外・地方へ移住して働く」といった比較的先進的な取り組みは各地域共通でギャップが大きい結果となった【図表3】。
【図表3】<首都圏>働き方に関する施策(現状とニーズ)
topic 4
在籍するオフィス内のレイアウトについて、現状とニーズを比較すると、「食堂・カフェスペース」、「リフレッシュスペース」、「集中するためのスペース」は地域問わずギャップが大きく、ワーカーのニーズに対して整備が追い付いていない状況といえる【図表4】。
【図表4】<首都圏>オフィス内のレイアウト(現状とニーズ)
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