2023.01.18
オフィス新規供給量 2023
ザイマックス不動産総合研究所(以下、ザイマックス総研)は、今般、東京23区と大阪市のオフィス新規供給量2023を公表する。新築されるオフィスの賃貸面積を集計したオフィス新規供給量(以下、供給量)は、今後のオフィスマーケットの需給バランスへの直接的な影響を与える。ザイマックス総研では毎年、東京23区および大阪市で竣工する延床面積3,000坪以上の主な用途がオフィスであるビルを対象に、オフィス賃貸面積を集計している。
- ・ 2023年の供給量は22.4万坪と、過去10年平均の15.9万坪を上回る見込み。また、2023年から2026年の今後4年間では2023年の供給量がもっとも多い。
- ・ 2023年から2026年の供給量は、年平均15.8万坪と、過去10年平均の15.9万坪とほぼ同等の見込み。
- ・ 2023年から2026年の供給量の86%が都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)に集中している。
- ・ 2023年から2026年の供給量は63.2万坪となる予定であり、2022年末オフィスストック(1,298万坪)に対する供給量の割合(新規供給率)は、4.9%(年平均1.2%)程度になる見込み。
- ・ 2023年の供給量は0.6万坪となる予定。
- ・ 2023年から2026年の供給量は、年平均3.5万坪と、過去10年平均の1.9万坪を上回る見込み。
- ・ 2023年から2026年の年平均供給量3.5万坪は、東京23区の15.8万坪の22%である。
- ・ 2023年から2026年の供給量は14.0万坪となる予定であり、2022年末オフィスストックに対する供給量の割合(新規供給率)は、4.9%(年平均1.2%)程度になる見込み。
1. 【東京23区】オフィス新規供給量2023
2. 【大阪市】オフィス新規供給量2023
1.【東京23区】オフィス新規供給量2023
東京23区における延床面積3,000坪以上のオフィスビルの供給量をみると、2023年は22.4万坪と、過去10年間の最大規模である2020年の27.5万坪に次ぐ規模の予定となっている【図表1】。2023年から2026年の合計供給量は63.2万坪となる予定であり、年平均では15.8万坪と、過去10年平均と同等の見込みである。
延床3,000坪以上10,000坪未満の中規模物件の2023年から2026年までの年平均供給量は2.0万坪と、2013年から2022年の年平均(2.3万坪)以下となる見込みである。一方、延床10,000坪以上の大規模物件は2023年から2026年までの年平均供給量(13.9万坪)は2013年から2022年の年平均(13.6万坪)を上回る見込みである。
また、2022年末オフィスストック(1,298万坪)に対する供給量(2023~2026年)の割合である新規供給率は、4.9%(年平均1.2%)程度となる見込み。
【図表1】東京23区供給量(賃貸面積)
2023年から2026年の供給量を区別にみると、全体の75%が都心3区(千代田区・中央区・港区)に供給される予定である【図表2】。なかでも港区は全体の55%を占めており、区別の供給量ではトップとなる。都心5区(都心3区+新宿区+渋谷区)に広げると、全体の86%が供給される予定であり、供給は都心部に集中している。
【図表2】区別供給量(2023-2026年)
※カッコ内は2023-2026年の供給量に占める割合
エリア別では主に、日本橋・八重洲・京橋、六本木・麻布、虎ノ門、芝・三田、品川駅東口エリアに供給される予定である【図表3】。
【図表3】主なエリア別供給量(2023-2026年)
主なエリアの特徴は以下のとおり。
● 日本橋・八重洲・京橋では、供給量が8.8万坪ともっとも多い。2025年に東京駅前八重洲一丁目東市街地再開発A地区・B地区、2026年に日本橋一丁目中地区市街地再開発C街区による大型の供給が予定されている。
● 六本木・麻布では、2023年に虎ノ門・麻布台地区市街地再開発A街区による大型の供給が予定されている。
● 虎ノ門では、一体的な再開発が行われており、2023年の虎ノ門ヒルズステーションタワーなど大規模な再開発による供給が続く。
● 芝・三田では、2023年に(仮称)東京三田再開発プロジェクトによる大型の供給が予定されている。
● 品川駅東口では、2025年、2026年に品川開発プロジェクト第Ⅰ期による大型の供給が予定されている。
2.【大阪市】オフィス新規供給量2023
大阪市における延床面積3,000坪以上のオフィスビルの供給量をみると、2024年に9.0万坪の大規模な供給が予定されており、2023年から2026年の合計供給量は14.0万坪となる予定である【図表4】。2023年から2026年の年平均は3.5万坪と、過去10年平均である1.9万坪の約1.8倍、東京23区の2023年から2026年までの年平均15.8万坪の22%となる見込みである。
また、2022年末オフィスストック(283万坪)に対する供給量(2023~2026年)の割合である新規供給率は4.9%(年平均1.2%)程度となる見込みであり、これは東京23区の新規供給率と同等である。
【図表4】大阪市供給量(賃貸面積)
エリア別では、梅田、淀屋橋、本町、堂島・中之島、新大阪南、なんば、心斎橋エリアの順に多く供給される予定である【図表5 】。
【図表5】エリア別供給量(2023-2026年)
エリアごとの主な特徴は以下のとおり。
● 梅田は、6.8万坪と供給量がもっとも多い。2024年に梅田3丁目計画(仮称)、うめきた2期地区開発事業による大型の供給が予定されている。
● 淀屋橋は、2025年に淀屋橋プロジェクト(仮称)、淀屋橋駅西地区市街地再開発計画による大型の供給が予定されている。
調査時点
2022年12月
調査エリア
東京23区、大阪市
対象物件
延床面積3,000坪以上、主な用途がオフィス(原則、自社ビルを除く)
集計対象
オフィス賃貸面積(坪)
調査方法
新聞記事など一般的に公開されている情報を基に、 一部現地調査ならびに事業者にヒアリングを実施して集計
備考
* 本調査は新たに供給される建物の面積を対象としている。また、全数調査ではないことに留意。
* 賃貸面積は、公表されている場合は当該面積を採用し、公表されていない場合は京都大学大学院工学研究科建築学専攻加藤直樹研究室との共同研究で導き出された計算式により、延床面積から推計した面積を採用した。
* 本供給量は調査時点での推計値であり、日々情報が追加、更新されるため、供給量の数値は変動する。
* 端数処理のため、合計が一致しない場合がある。
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