建物管理・修繕・エネルギー

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2020.05.15

オフィスビルエネルギー消費量及びコスト調査 (2019年12月まで)

~エネルギー単価はほぼ横ばい、エネルギー消費量の減少に伴いコストも減少~

ザイマックス不動産総合研究所は、首都圏オフィスビルを対象に、「オフィスビルエネルギー消費量及びコスト」を継続的に調査しており、昨年5月には、2010年1月から2018年12月までの結果を発表した。今回は、さらに2019年12月までのオフィスビルエネルギー消費量及びコストについて調査した結果を公表する。

なお、2010年12月時点の数値を100としてエネルギー消費量及びコストを指数化し表記している。

調査結果
  • ■エネルギー消費量:
  •  前回調査(2018年12月まで)から3pt減
  • ■エネルギー単価:
  •  前回調査(2018年12月まで)からほぼ横ばい
  • ■エネルギーコスト:
  •  前回調査(2018年12月まで)から2pt減

1. オフィスビルエネルギー及びコストの12ヶ月平均値の推移

図表1はエネルギー消費量・単価・コストの12ヶ月移動平均の推移である。エネルギー消費量(破線)は前回から3pt減、エネルギー単価(点線)は前回からほぼ横ばい。エネルギーコスト(実線)は2pt減であった。

【図表1】エネルギー消費量・単価・コストの過去12ヶ月平均値の推移

2. エネルギー消費量・単価・コストの年平均の推移

図表2は消費量の推移を示している。2019年平均は125.0MJ/㎡・月(1,500MJ/㎡・年)と、2010年比で約25%程度の消費量減少となっている。また、2018年比では46MJ/㎡・年(約3%)の消費量減少である。

【図表2】エネルギー消費量(MJ/㎡・月)の推移


図表3は単価の推移を示している。2010年の調査開始以降、2014年まで上昇していた単価は2015年より下落していたが、2017年より再び上昇に転じ、2019年の平均単価は2.05円/MJと前年に比べ0.01円上昇した。

【図表3】エネルギー単価(円/MJ)の推移


図表4はコストの推移を示している。震災以降、増加傾向にあったコストは2015年に下落した。2018年は上昇に転じたが、2019年は再び下落した。

【図表4】エネルギーコスト(円/㎡・月)の推移

調査概要

    調査期間

  • 2009年4月~2019年12月(129ヶ月)
  • 調査対象

  • ザイマックスグループが運営する首都圏の一般的な賃貸オフィスビルのうち、
  • 有効なデータが得られた約100棟
  • 算出方法

  • A 各月のエネルギー消費量・エネルギー単価・エネルギーコスト
  • ① ビル毎に電気・ガス・熱の消費量及び支払金額(税抜)を集計
  • ② ①の各エネルギー消費量をMJ(一次エネルギー量)に換算し、合計する
  •   (換算係数は下記を使用)
  •      電気:9.76MJ/kWh、都市ガス:45MJ/m3、冷水・温水・蒸気:1.36MJ/MJ
  • ③ エネルギー消費量( MJ / ㎡・月 )
  •   ⇒②で求めた消費量合計を、空室を除いた延床面積で除す
  •      エネルギー単価( 円 / MJ )
  •   ⇒①で求めた支払金額合計を、②で求めた消費量合計で除す
  •      エネルギーコスト( 円 / ㎡・月 )
  •   ⇒①で求めた支払金額合計を、空室を除いた延床面積で除す
  • ④ ③で求めたそれぞれについて、調査対象の平均値を求める
  • B 12ヶ月平均値
  • ① 各月について、Aで求めた消費量・単価・コストの過去12ヶ月間の平均値を算出
  • ② 2010年12月時点の数値を100として指数化
  • 備考

  • ・ 本データの「月」はエネルギー供給会社の検針作業上の月で、ビル毎・供給会社毎に異なる
  • ・ 本調査では、継続性・正確性を期すため、空室を除いた延床面積を用いている

※前回調査は2019年5月15日付けレポート「オフィスビルエネルギー消費量及びコスト調査(2018年12月まで)」を参照
※当レポート記載の内容等は作成時点のものであり、正確性、完全性を保証するものではありません。
※当社の事前の了承なく、複製、引用、転送、配布、転載等を行わないようにお願いします。

英語版:Energy Consumption and Energy Cost in Office Buildings (December 2019)

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