供給・ストック

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2022.01.12

オフィス新規供給量 2022

ザイマックス不動産総合研究所(以下、ザイマックス総研)は、今般、東京23 区と大阪市のオフィス新規供給量2022を公表する。新築されるオフィスの賃貸面積を集計したオフィス新規供給量(以下、供給量)は、今後のオフィスマーケットの需給バランスへの直接的な影響を与える。ザイマックス総研では毎年、東京23区および大阪市で竣工する延床面積3,000坪以上の主な用途がオフィスであるビルを対象に、オフィス賃貸面積を集計している。

主な調査結果

    1. 【東京23区】オフィス新規供給2022

  • ・ 2022年の供給量は8.0万坪と、過去10年間で最小となる見込み。また、2022年から2025年の今後4年間では2023年の供給量がもっとも多く、23.1万坪の供給が予定されている。
  • ・ 2022年から2025年の供給量は、年平均15.2万坪と、過去10年平均の17.8万坪を下回る見込み。
  • ・ 2022年から2025年の供給量の87%が都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)に集中している。
  • ・ 東京23区の2021年末オフィスストックに対する供給量(2022~2025年)の割合(新規供給率)は、4.7%(年平均1.2%)程度になる見込み。
  • 2. 【大阪市】オフィス新規供給2022

  • ・ 2022年の供給量は4.6万坪となる予定。
  • ・ 2022年から2025年の供給量は、年平均4.3万坪と、過去10年平均の1.6万坪を上回る見込み。
  • ・ 2022年から2025年の年平均供給量4.3万坪は、東京23区の15.2万坪の約1/3である。
  • ・ 大阪市の2021年末オフィスストックに対する供給量(2022~2025年)の割合(新規供給率)は、6.1%(年平均1.5%)程度になる見込み。

1.【東京23区】オフィス新規供給量2022

東京23区における延床面積3,000坪以上のオフィスビルの供給量をみると、2022年は8.0万坪と、過去10年間の最小規模である2013年の11.0万坪を下回る予定となっている【図表 1】。2023年には、2012年から2021年の年平均供給量(以下、過去10年平均)である17.8万坪を上回る23.1万坪の供給が予定されている。なお、2022年から2025年の年平均は15.2万坪と、過去10年平均を下回る見込みである。

延床3,000坪以上10,000坪未満の中規模物件の2022年から2025年までの年平均供給量は2.0万坪と、2012年から2021年の年平均(2.5万坪)以下となる見込みである。また、延床10,000坪以上の大規模物件も2022年から2025年までの年平均供給量(13.2万坪)が2012年から2021年の年平均(15.3万坪)を下回る見込みである。

また、2021年末オフィスストック(1,300万坪)に対する供給量(2022~2025年)の割合である新規供給率は、4.7%(年平均1.2%)相当となる見込み。

【図表1】東京23区供給量(賃貸面積)

2022年から2025年の供給量を区別にみると、全体の75%が都心3区(千代田区・中央区・港区)に供給される予定である【図表 2】。なかでも港区は全体の53%を占めており、区別の供給量はトップとなる。都心5区(都心3区+新宿区+渋谷区)に広げると、全体の87%が供給される予定であり、供給は都心部に供給が集中している。

【図表2】区別供給量(2022-2025年)
※カッコ内は2022-2025年の供給量に占める割合

エリア別では六本木・麻布、日本橋・八重洲・京橋、芝・三田、虎ノ門、品川駅東口エリアなどに供給される予定である【図表3】。

【図表3】主なエリア別供給量(2022-2025年)

主なエリアの特徴は以下のとおり。

● 六本木・麻布では、供給量が8.0万坪ともっとも多い。2023年にはホテルやインターナショナルスクールなどが併設される虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発による大型の供給が予定されている。

● 日本橋・八重洲・京橋では、2022年に東京駅直結である東京ミッドタウン八重洲A-1街区による大型の供給が予定されている。

● 芝・三田では、2023年に(仮称)東京三田再開発プロジェクトによる大型の供給が予定されている。

● 虎ノ門では、環状2号線、BRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)などのインフラ整備や、オフィス・医療施設などを含む一体的な再開発が行われており、今後も(仮称)虎ノ門ヒルズステーションタワーなどの大規模な再開発による供給が続く。

● 品川駅東口では、2025年に品川開発プロジェクト第Ⅰ期による大型の供給が予定されている。


2.【大阪市】オフィス新規供給2022

大阪市における延床面積3,000坪以上のオフィスビルの供給量をみると、2022年に4.6万坪、2024年には7.4万坪の大規模な供給が予定されており、2022年から2025年の合計供給量は17.0万坪となる予定である【図表4】。2022年から2025年の年平均は4.3万坪と、過去10年平均である1.6万坪の約3倍、東京23区の2022年から2025年までの年平均15.2万坪の約1/3となる見込みである。

また、2021年末オフィスストック(279万坪)に対する供給量(2022~2025年)の割合である新規供給率は、6.1%(年平均1.5%)相当となる見込み。

【図表4】大阪市供給量(賃貸面積)

エリア別では、梅田、淀屋橋、本町、新大阪北、堂島エリアに供給される予定である【図表5】。

【図表5】エリア別供給量(2022-2025年)

エリアごとの主な特徴は以下のとおり。

● 梅田は、9.6万坪と供給量がもっとも多い。2022年に大阪梅田ツインタワーズ・サウス、2024年には梅田3丁目計画(仮称)、うめきた2期地区開発事業による大型の供給が予定されている。

● 淀屋橋は、2025年に淀屋橋駅東地区都市再生事業、淀屋橋駅西地区市街地再開発計画による大型の供給が予定されている。


調査概要

調査時点

2021年12月

調査エリア

東京23区、大阪市

対象物件

延床面積3,000坪以上、主な用途がオフィス(原則、自社ビルを除く)

集計対象

オフィス賃貸面積(坪)

調査方法

新聞記事など一般的に公開されている情報を基に、 一部現地調査ならびに事業者にヒアリングを実施して集計

備考

* 本調査は新たに供給される建物の面積を対象としている。また、全数調査ではないことに留意。

* 賃貸面積は、公表されている場合は当該面積を採用し、公表されていない場合は京都大学大学院工学研究科建築学専攻加藤直樹研究室との共同研究で導き出された計算式により、延床面積から推計した面積を採用した。

* 本供給量は調査時点での推計値であり、日々情報が追加、更新されるため、供給量の数値は変動する。

* 端数処理のため、合計が一致しない場合がある。


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