2017.03.03
オフィステナント電力量調査(2016年12月まで)
2016年の年間平均は35.9kWh/坪、過去最少
ザイマックス不動産総合研究所は、全国のオフィスビルに入居するテナントを対象に、「オフィステナント電力量」を継続的に調査しており、2013年6月以降、定期的に結果を発表している。今回は、2016年12月までのオフィステナント電力量について調査した結果を公表する。
- ・オフィステナント電力量の過去12か月の移動平均(2016年平均)は35.9kWh/坪であった【図表1】
- ・オフィステナント電力量の2016年平均は、昨年と比較して1.2kWh/坪(3.2%)減少した【図表1】
- ・オフィステナント電力量2016年10~12月平均は33.7kWh/坪であった【図表2】
1.オフィステナント電力量の推移
図表1は東京電力管内の2010年1月から2016年12月までのオフィステナント電力量の月次推移である。2016年10月は33.8kWh/坪、同11月は32.8kWh/坪、同12月は34.4kWh/坪であった。
過去12か月の移動平均でみると、2016年1月から2016年12月までの平均(2016年平均)は35.9kWh/坪と、2015年10月から2016年9月までの平均35.9kWh/坪と同じであった。2016年平均は2015年の37.1kWh/坪と比べ1.2kWh/坪、3.2%減少し、過去6年で最小となった。
【図表1】オフィステナント電力量の月次推移(東京電力管内)
2.10~12月平均、前年同期からほぼ横ばい
2016年10~12月の東京電力管内のオフィステナント電力量は、33.7kWh/坪と、前年同期比で0.1kWh/坪(0.3%)の微減で、調査開始以降、最小の変動幅であった(図表2)。
【図表2】オフィステナント電力量10~12月平均(東京電力管内)
【参考】主要エリアのオフィステナント電力量年平均
東京をはじめ、中部、関西のオフィス電力量が減少した(図表3・図表4・図表5)。背景には、全国的な暖冬の影響により電力消費が抑えられたことのほか、2013年ごろからオフィスの大規模な空調更新、照明のLED化工事が急増していることや、OA機器の更新により、省エネのオフィス設備が普及していることなどの、複合的な要因があると推察される。九州も暖冬であったが、夏場の記録的な暑さの影響により前年に比べ0.2kw/坪と微増したと考えられる(図表6)。
【図表3】オフィステナント電力量の年平均(東京電力管内)
【図表4】オフィステナント電力量の年平均(中部電力管内)
【図表5】オフィステナント電力量の年平均(関西電力管内)
【図表6】オフィステナント電力量の年平均(九州電力管内)
定義
オフィスビルに入居するテナントが1ヶ月間で消費する1坪あたりの電力量調査期間
2010年1月~2016年9月(月に1度)調査対象
ザイマックスグループが運営する全国のオフィスビルに入居する一般事務所用途テナントのうち、有効なデータが得られたテナント 約300棟、約3,000社算出方法
- ① テナントごとに毎月の電力量(キロワット時:kWh)を集計
- ② ①を、土日祝日を除いた一般的な営業日数で補正する
- ③ ②を、テナントの賃借面積(坪)で割り、1坪あたりの電力量(kWh/坪)を求める
- ④ 電力会社管轄地域別に、③の平均値を求める
備考
- ・店舗、倉庫、電算室といった事務所以外の用途のテナントは対象から除いている
- ・テナントの専用部以外発生した電力量(共用部の照明やエレベーターなど)は含んでいない
- ・セントラル空調方式やガスヒートポンプ方式など、テナントごとに測定できない電気以外のエネルギーは含んでいない
- ・本データの「月」は、電力量計の検針作業上の対象月であり、多くは20日締めである
- ・電力量が極端に多い、少ないデータは外れ値として算定対象から除いている
- ・テナントの入退去等により、月ごとに調査対象数は変動する
- ザイマックス不動産総合研究所
- TEL: 03 3596 1477
- FAX: 03 3596 1478
- お問い合わせ