供給・ストック

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2016.12.26

【大阪市】オフィス新規供給量2017・オフィスピラミッド2017

 ザイマックス不動産総合研究所は、今般、大阪市のオフィス新規供給量2017とオフィスピラミッド2017を公表する。新築されるオフィスの賃貸面積を集計したオフィス新規供給量(以下、供給量)は、オフィスマーケットの需給バランスへの今後の直接的な影響をみるものである。また、マーケットに存在するオフィスの賃貸面積の合計面積を集計したオフィスピラミッドは、オフィスビルを大規模と中小規模別に、築年ごとのストック量(賃貸面積、棟数)を比較したもので、大規模と中小規模ビルのバランスや築年構成などをみることができる。

 これまで、それぞれ別に公表していた供給量とオフィスピラミッドを今回よりまとめて公表していくこととした。

主な調査結果

【大阪市】オフィス新規供給量2017

  • ・ 2017年の新規供給量は3.1万坪と、過去10年間平均とほぼ同程度である。
  • ・ 2017年から2020年の新規供給量は、賃貸面積ベースで年平均1.7万坪となり、過去10年平均の3.0万坪の半分程度になる見込み。
  • ・ 2017年から2020年の年平均供給量1.7万坪は、東京23区の18.1万坪の1/10以下となる。
  • ・ 大阪市の新規供給量(2017~2020年)の2016年末オフィスストックに対する割合(新規供給率)は、2.4%(年平均0.6%)程度になる見込み。

【大阪市】オフィスピラミッド2017

  • ・ 2017年末のオフィスストックは賃貸面積ベースで284万坪、うち中小規模ビルが141万坪、大規模ビルが143万坪とほぼ同等の割合である。
  • ・ 大阪市のオフィスストック284万坪は、東京23区の1,226万坪の1/4以下となる。
  • ・ 棟数ベースでは1,712棟、うち中小規模が1,522棟と9割弱を占める。
  • ・ 平均築年数はストック全体で30.3年、中小規模ビルが30.7年、大規模ビルが26.6年と、中小規模ビルにおいて特にストックが高齢化している。



【大阪市】オフィス新規供給量2017


 2017年の新規供給量は3.1万坪と、過去10年間平均とほぼ同程度であった。2017年から2020年までの大阪市における供給量は、前回公表*¹の2016年から2019年までの年平均1.7万坪と同様の結果となった【図表1】。2007年から2016年までの過去10年の平均3.0万坪の半分程度になる見込みである。

 延床1万坪以上の大規模物件をみると、2017年から2020年までの年平均供給量1.7万坪は、過去年平均2.1万坪をやや下回る見込みである。なお、参考に、東京23区と比較すると、大阪市の2017年から2020年までの年平均供給量は、東京23区の18.1万坪の1/10以下となる。

 また、大阪市の2016年末オフィスストックに対する新規供給量(2017~2020年)の割合である新規供給率は、2.4%(年平均0.6%)相当となる。

*¹ 2015年12月24日「オフィス新規供給量調査2016

【図表1】大阪市供給量(賃貸面積)

1612-office_new_supply_stock_pyramid_osaka_2017_fig1

 エリア別にみると、主要なオフィスエリアである梅田、堂島・中之島、大阪ビジネスパーク、なんば、淀屋橋エリアに供給される予定である【図表2】。

【図表2】エリア別供給量(2017-2020年)

1612-office_new_supply_stock_pyramid_osaka_2017_fig2



【大阪市】オフィスピラミッド2017


 オフィスピラミッドとは、男女別に年齢ごとの人口を表した「人口ピラミッド」に倣い、オフィスビルを大規模と中小規模に分け、築年ごとにストック量(賃貸面積、棟数)を比較したものである。大規模と中小規模ビルのバランスやそれらの築年構成などをみることができる。

 2017年末時点の大阪市オフィスストックは賃貸面積ベースで284万坪である。うち、延床面積5,000坪未満の中小規模ビルは141万坪、延床面積5,000坪以上の大規模ビルは143万坪と、賃貸面積では中小規模ビルと大規模ビルが半々となっている【図表3】。また、大阪市のオフィスストック284万坪は、東京23区の1,226万坪の1/4以下となる。

 ストック全体の平均築年数は30.3年となった。うち、中小規模ビルの平均築年数は30.7年、大規模ビルの平均築年数は26.6年となった。大規模ビルはバブル期以降も供給が続いているのに対し、中小規模ビルはバブル期の大量供給以降、低水準が続いており、ストックの高齢化が進んでいる。

  築年別の構成を見ると、中小規模ビルは築20年以上が121万坪、築20年未満が20万坪と、築20年以上のストックが8割以上を占める。

 大規模ビルは築20年以上が94万坪、築20年未満が49万坪と、築20年以上が7割弱を占める。

【図表3】大阪市オフィスピラミッド2017(賃貸面積ベース、大規模と中小規模の比較)

1612-office_new_supply_stock_pyramid_osaka_2017_fig3

 一方で、棟数ベースでは大阪市で1,712棟、うち中小規模ビルが1,522棟と全体の89%、大規模ビルは190棟と11%を占めている【図表4】。

【図表4】大阪市オフィスピラミッド2017(棟数ベース、大規模と中小規模の比較)

1612-office_new_supply_stock_pyramid_osaka_2017_fig4
調査概要

オフィス新規供給量調査

●調査時点

 2016年11月

●調査エリア

 大阪市

●対象物件

 延床面積3,000坪以上、主な用途がオフィス (原則、自社ビルを除く)

●集計対象

 オフィス賃貸面積(坪)

●調査方法

 新聞記事など、一般的に公開されている情報を基に、一部現地調査ならびに事業者にヒアリングを実施


* 本調査は新たに供給される建物の面積を対象としている。また、全数調査ではないことに留意。
* 賃貸面積が公表等されている場合は当該賃貸面積、公表されていない場合は、京都大学大学院工学研究科建築学専攻加藤直樹研究室との共同研究結果から導き出された計算式を使用し、延床面積より推計。
* 本供給量は調査時点期間での推計値であり、日々情報が追加、更新されるため、供給量の数値は変動する。


オフィスピラミッド

●調査時点

 2016年11月

●調査エリア

 大阪市

●対象物件

 2017年末時点において、延床面積300坪以上、1946年以降に竣工(予定含む)した主な用途が事務所のオフィスビル

●集計対象

 <大規模>延床面積5,000坪以上、<中小規模>延床面積300坪以上5,000坪未満のオフィスビルの棟数およス賃貸面積(坪)


* 収集データは、新聞記事など一般に公開されている情報のほか、賃貸募集(過去を含む)された情報などをもとに築年が判明している物件を対象として集計した。なお、原則自社ビルを除いている。
* 建替えや滅失したケースは把握できたものを集計に反映している。
* 本調査は調査時点での集計値であり、日々情報が追加、更新される。
* 2017年に関しては、2016年11月時点で竣工予定日が判明しているものを対象とした。
* 賃貸面積は、公表されている場合は当該面積を採用し、公表されていない場合は京都大学大学院工学研究科建築学専攻加藤直樹研究室との共同研究で導き出された計算式により、延床面積から推計した面積を採用した。
* 旧耐震ビルとは、1981年新耐震設計法が施行される前の設計法に基づき建てられたビル。本稿では1981年以前に竣工のビルを旧耐震ビルとした。
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