大都市圏オフィス需要調査2026春

今後のオフィス拡張は一服か。ハイブリッドワーク定着に伴う「機能の最適化」へ

コロナ禍を受け普及したハイブリッドワークは、恒常的な働き方として定着しつつある。新たな働き方に適したワークプレイスとはどのようなものだろうか。

ザイマックス総研では2016年秋より、企業のオフィス利用の実態や働き方に関して半年に1回アンケート調査を行い、オフィス需要との関係について継続的に分析を行っている。このたび、その第20回調査の結果をまとめたレポートを公表した。本ページは<概要版>として一部を抜粋したものである。 

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主な調査結果

  • 過去1年間のオフィス面積の変化について、「拡張(した+する可能性)」の合計は14.4%、「縮小(した+する可能性)」の合計は6.2%。DIは8.2と2024春調査以降はほぼ横ばいで推移している【図表1】。
  • 今後(2~3年程度先まで)のオフィス面積は、「拡張したい」(17.4%)が「縮小したい」(4.4%)を上回る【図表2】。
  • 出社率「100%(完全出社)」の割合は24.8%。新型コロナウイルス感染症の5類移行後(2023春調査以降)は、平均出社率が7割前後の状況が続く【図表3】。
  • オフィス内の各スペースの今後について聞くと、すべてのスペースで「増やしたい」が「減らしたい」を上回り、多様なスペースの需要がみてとれる【図表4-1】。
  • 今後オフィス面積を「縮小したい」企業でも、「執務席スペース」や「業務支援スペース」でオフィス面積を効率化させながら、「会議室スペース」や「集中スペース」など自社に必要な機能は充実させようとしている可能性がある【図表4-2】。
  • 生成AIの業務活用状況として、「生成AIを業務では利用していない」と回答した割合は10.4%にとどまり、多くの企業がすでに生成AIを業務で活用していることがわかった【図表5-1】。生成AIの影響としては、業務効率化や付加価値の高い業務へのシフトが期待される【図表5-2】。
  • 面積の「量的拡大」は横ばいで一服感がみられるものの、ハイブリッドワークの定着を背景に、オフィス内の「機能の最適化・多機能化」を模索する質的変化の局面にあるといえ、今後の動向が注目される。
<調査概要>
調査期間

2026年6月2日~6月14日

調査対象

・ザイマックスグループ各社の管理運営物件のオフィスビルに入居中のテナント
・法人向けサテライトオフィスサービス「ZXY(ジザイ)」契約先
・ザイマックスインフォニスタの取引先
上記合計 60,943件

有効回答数

1,602件 *事業所単位で集計しているため、同一企業であっても事業所が異なれば別の回答として処理している。

調査地域

全国(東京都、大阪府大阪市、愛知県名古屋市、福岡県福岡市、神奈川県、埼玉県、千葉県)

調査方法

メール配信による

topic 1

過去1年間のオフィス面積について「拡張(した+する可能性)」の合計は14.4%、「縮小(した+する可能性)」の合計は6.2%で、DIは8.2となった【図表1】。

2021春調査を底に縮小トレンドは弱まり、2023春調査からは拡張が上回った。2024春調査以降、DIはほぼ横ばいで推移しており、拡張トレンドが継続している。

【図表1】過去1年間のオフィス面積変化の実績+可能性

topic 2

今後(2~3年程度先まで)のオフィス面積については、引き続き「拡張したい」(17.4%)が「縮小したい」(4.4%)を上回っている【図表2】。経年でみると、「拡張したい」の割合は2021春調査を底に増加した後、2024春調査以降、大きな変化はみられず、ほぼ横ばいで推移している。

【図表2】今後のオフィス面積の変化

topic 3

新型コロナウイルス感染症の5類移行後(2023春調査以降)、平均出社率は7割前後の状況が続いている【図表3】。ただし、今回調査において「60%~99%(出社派)」は2025秋調査から5.3ポイント減少した一方、「40%~59%(半々)」や「100%(完全出社)」がそれぞれ微増するなど、内訳にはやや変化がみられた。

【図表3】出社率の実態(経年比較)

topic 4

オフィス内の各スペースの今後について聞いた結果、「減らしたい」と回答した割合はすべてのスペースで5.0%以下にとどまり、「増やしたい」と回答した割合の方が高い結果となった【図表4-1】。

特に「会議室スペース(複数名用個室、1名用リモート会議室)」を「増やしたい」と回答した割合は31.6%と最も高く、会議室不足の課題感の強さがうかがえる。

【図表4-1】今後の各スペースの変化

この結果を今後のオフィス面積の変化別にみたところ、面積を「拡張したい」企業ほど、各スペースを「増やしたい」という意向が強いことがみてとれる【図表4-2(左)】。

一方、面積を「縮小したい」企業の場合は「執務席スペース」や「業務支援スペース」を減らす意向が強いものの、「会議室スペース」や「集中スペース」、「オープンミーティングスペース」、「リフレッシュスペース」などでは「増やしたい」が「減らしたい」を上回っていた【図表4-2(右)】。面積を縮小したい企業であっても、特定のスペースを効率化させながら、自社に必要な機能は充実させようとしている可能性がある。

【図表4-2】今後のオフィス面積の変化別、今後の各スペースの変化

topic 5

生成AIの業務活用状況について聞いた結果、「生成AIを業務では利用していない」と回答した割合は10.4%にとどまり、活用の程度には違いがあるものの、多くの企業がすでに生成AIを業務で活用していることがわかった【図表5-1】。

特に、「文章作成・要約・資料作成などの業務支援に利用している(AIアシスタント)」と回答した割合は50.6%と過半数に達した。

また、「目的に応じてAIが手順を考え、一連の業務を半自動で進めている(AIエージェント)」(11.1%)や「生成AIを前提に、業務プロセスや働き方を見直している(AIネイティブな業務変革)」(8.7%)などの、より高度な活用もそれぞれ1割程度みられた。

【図表5-1】生成AIの活用状況

社内で生成AIの活用が進むことによる、働き方やオフィスへの影響について聞いたところ、最も多かったのは「定型業務・事務作業が削減される」(66.7%)、次いで「業務効率化により、労働時間や残業時間が短くなる」(50.1%)、「企画・判断・創造的業務の比重が高まる」(37.1%)となった【図表5-2】。生成AIの活用により、定型業務の効率化が進むことで労働時間の削減やより付加価値の高い業務へのシフトを期待する企業が多いことがうかがえる。

一方、執務席数やオフィス内のスペースなど、オフィス環境への直接的な影響を想定している割合はいずれも1割未満にとどまった。しかし、上位に挙げられた定型業務の削減や創造的業務へのシフトといった働き方・業務内容の変化は、将来的に必要な席数の減少や執務席スペース、コラボレーションスペースのあり方などにも波及し、オフィスの役割を変える可能性がある。

【図表5-2】生成AIの働き方やオフィスへの影響

付録

大都市圏オフィス需要調査2026春<詳細版>に掲載した図表の一部について、属性別の比較グラフを掲載する。

上部メニューの切り替えにより参照したい図表を選択できる。また、画面右側のフィルターで参照したい属性を選択できる。

  • 【付録1】オフィス面積の変化(2024春~2026春経年) × [オフィス所在地/従業員数/業種]
  • 【付録2】人数意向(2024春~2026春経年) × [オフィス所在地/従業員数/業種]
  • 【付録3】面積意向(2024春~2026春経年) × [オフィス所在地/従業員数/業種]
  • 【付録4】出社率(2024春~2026春経年) × [オフィス所在地/従業員数/業種]
  • 【付録5】生成AIの活用レベル × [オフィス所在地/従業員数/業種/平均年齢]

レポート内のグラフに関して
・構成比(%)は、小数点第2位を四捨五入しているため内訳の合計が100%にならない場合がある。