大都市圏オフィス需要調査2025秋
~ハイブリッドワークの運用を模索、会議室不足や社内コミュニケーションが課題に~
コロナ禍を受けて普及した出社とテレワークのハイブリッドワークは、恒常的な働き方として定着しつつある。新たな働き方に適したワークプレイスとはどのようなものだろうか。
ザイマックス総研では2016年秋より、企業のオフィス利用の実態や働き方に関して半年に1回アンケート調査を行い、オフィス需要との関係について継続的に分析を行っている。このたび、その第19回調査の結果をまとめたレポートを公表した。本ページは<概要版>として一部を抜粋したものである。
- ・ 過去1年間におけるオフィス面積の変化について、「拡張(した+する可能性)」(12.9%)が「縮小(した+する可能性)」(6.2%)を上回った。DIは6.7とプラス圏を維持している【図表1】。
- ・ 今後(2~3年程度先まで)のオフィス面積について、「拡張したい」と回答した割合(18.0%)が「縮小したい」(5.5%)を上回った【図表2】。
- ・ 2023春調査以降は出社率に大きな変化はみられず、出社多めのハイブリッドワーク(出社率60~99%)が47.0%と約半数を占めている【図表3-1】。
- ・ 1年前と比べた出社率の変化では「変わらない」が77.2%と最多で、今後の出社率の意向についても「変えない」(64.6%)が大半を占めた【図表3-2】。
- ・ メインオフィスに関する困ったことや課題の1位は「会議室やリモート会議用スペースなどが不足している」(57.7%)で、他の項目を大きく上回った【図表4-1】。また、会議室不足を課題に感じているグループでは「1人用(リモート会議用ブース・個室)」(47.5%)と「2~4人用」(46.9%)の不足が顕著であった【図表4-2】。
- ・ 在宅勤務制度の導入率は45.1%、サテライトオフィスの導入率は29.7%となり、どちらも1年前の2024秋調査から大きな変化はみられなかった【図表5】。
- ・ 社内コミュニケーション(リアル/オンライン問わず)を活性化できていると思うかを聞いた結果、約6割が「(やや)そう思う」と回答した一方、33.4%は「(あまり)そう思わない」と回答した【図表6-1】。具体的な課題では「オンラインではコミュニケーションが不足しがち」(65.1%)が最も高かった。【図表6-2】。
<調査概要>
調査期間:2025年11月25日~12月7日
調査対象:・ザイマックスグループの管理運営物件のオフィスビルに入居中のテナント
・法人向けサテライトオフィスサービス「ZXY(ジザイ)」契約先
・ザイマックスインフォニスタの取引先
上記合計 59,294件
有効回答数:1,555件 ※事業所単位で集計しているため、同一企業であっても事業所が異なれば別の回答として処理している。
調査地域:全国(東京都、大阪府大阪市、愛知県名古屋市、福岡県福岡市、神奈川県、埼玉県、千葉県)
調査方法:メール配信による
topic 1
過去1年間のオフィス面積について、2021春調査で底を打った「拡張(した+する可能性)」の合計は2023秋調査から横ばいとなり、今回は12.9%となった【図表1】。「縮小(した+する可能性)」は6.2%となり、2021春調査をピークに減少が続く。
拡張合計と縮小合計の差であるDIは6.7とプラス圏を維持し、拡張トレンドが継続している。
【図表1】過去1年間のオフィス面積変化の実績+可能性
topic 2
今後(2~3年程度先まで)のオフィス面積について、「拡張したい」と回答した企業は18.0%で、「縮小したい」(5.5%)を上回った【図表2】。
経年では2021春調査を底に「拡張したい」が増加傾向であったが、コロナ禍以前(2019春調査以前)の水準までは戻らず、横ばいで推移している。
【図表2】今後のオフィス面積の変化
topic 3
出社率は、2023春調査をピークに「100%(完全出社)」が緩やかに減少し、今回調査では22.3%となった。一方で「60~99%(出社派)」は増加しており、47.0%と約半数が出社多めのハイブリッドワークを採用している。平均出社率は71.0%で、概ね横ばいで推移している【図表3-1】。
1年前と比べた出社率の変化では、「変わらない」が77.2%と最多であった【図表3-2(左)】。2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行から2年以上が経過し、足元では出社率が安定している様子がうかがえる。今後の出社率の意向についても、「変えない」(64.6%)が大半を占めており【図表3-2(右)】、当面は現状維持の姿勢が主流といえそうだ。
【図表3-1】出社率の実態(経年比較)
【図表3-2】1年前と比べた出社率の変化(左)と、今後の出社率の意向(右)
topic 4
メインオフィスに関して困ったことや課題を感じている企業に対し、具体的な内容を聞いた結果、「会議室やリモート会議用スペースなどが不足している」が57.7%と最も高く、他の項目を大きく上回った【図表4-1】。会議室やリモート会議用スペースは日常業務に不可欠な機能であり、その不足が多くの企業にとって喫緊の課題として認識されていることがうかがえる。
次に、現在不足している会議室のタイプについて、会議室やリモート会議室の不足を課題としているか否か(【図表4-1】)で比較した【図表4-2】。その結果、会議室不足を感じているグループでは「1人用(リモート会議用ブース・個室)」(47.5%)と「2~4人用」(46.9%)の不足が特に顕著であった。一方、会議室不足を感じていないグループにおいても、「1人用(リモート会議用ブース・個室)」(17.1%)をはじめ、各タイプで一定割合の不足感がみられた。会議室不足が表立った課題として認識されていない企業においても、実態としては日常的に会議室が足りていない状況が存在する可能性がある。
【図表4-1】メインオフィスに関して困ったことや課題
【図表4-2】<会議室不足の課題感の有無別>不足している会議室のタイプ
topic 5
在宅勤務制度の導入率は2021秋調査の61.3%をピークに、コロナ禍収束後は4割台で推移し、今回は45.1%となった【図表5】。また、サテライトオフィスの導入率は29.7%となり、どちらも1年前の2024秋調査から大きな変化はみられなかった。
【図表5】在宅勤務制度とサテライトオフィスの導入率
topic 6
社内コミュニケーション(リアル/オンライン問わず)を活性化できていると思うかを聞いた結果、約6割が「(やや)そう思う」と回答した一方、33.4%は「(あまり)そう思わない」と回答し、一定数の企業が課題を感じていることが明らかになった【図表6-1】。
また、社内コミュニケーションが活性化できていると「思わない」と回答した約3割に対し、具体的な課題を聞いたところ、「オンラインではコミュニケーションが不足しがち」(「(やや)そう思う」合計65.1%)が最も高く、「オフィスでのリアルなコミュニケーションが活性化していない」(同61.8%)が続いた【図表6-2】。topic 3で確認したとおり、ハイブリッドワークは多くの企業で定着しており、今後はそれを前提としたコミュニケーション施策やワークプレイス環境の整備が求められるだろう。
【図表6-1】社内コミュニケーション(リアル/オンライン問わず)が活性化できていると思うか
【図表6-2】コミュニケーションに関する課題








