2016.03.04
オフィステナント電力量調査(2015年12月まで)
2015年の年間平均は37.1kWh/坪、過去最少
ザイマックス不動産総合研究所は、全国のオフィスビルに入居するテナントを対象に、「オフィステナント電力量」を継続的に調査しており、2013年6月以降、定期的に結果を発表している。今回は、2015年12月までのオフィステナント電力量について調査した結果を公表する。
- ・2015年秋季(10~12月)のオフィステナント電力量は33.8kWh/坪
- 前年同期の35.0kWh/坪より1.2kWh/坪、3.4%の減少となった
- ・2015年のオフィステナント電力量は37.1kWh/坪
- 年間を通してみても、2014年間平均の38.4kWh/坪より1.3kWh/坪、3.4%減少した
定義
オフィスビルに入居するテナントが1ヶ月間で消費する1坪あたりの電力量調査期間
2010年1月~2015年12月(月に1度)調査対象
ザイマックスグループが運営する全国のオフィスビルに入居する一般事務所用途テナントのうち、有効なデータが得られたテナント 約300棟、約3,000社算出方法
- ① テナントごとに毎月の電力量(キロワット時:kWh)を集計
- ② ①を、土日祝日を除いた一般的な営業日数で補正する
- ③ ②を、テナントの賃借面積(坪)で割り、1坪あたりの電力量(kWh/坪)を求める
- ④ 電力会社管轄地域別に、③の平均値を求める
備考
- ・店舗、倉庫、電算室といった事務所以外の用途のテナントは対象から除いている
- ・テナントの専用部以外発生した電力量(共用部の照明やエレベーターなど)は含んでいない
- ・セントラル空調方式やガスヒートポンプ方式など、テナントごとに測定できない電気以外のエネルギーは含んでいない
- ・本データの「月」は、電力量計の検針作業上の対象月であり、多くは20日締めである
- ・電力量が極端に多い、少ないデータは外れ値として算定対象から除いている
- ・テナントの入退去等により、月ごとに調査対象数は変動する
1.オフィステナント電力量の月次推移
図表1は東京電力管内の2010年1月から2015年12月までのオフィステナント電力量の推移である。2015年10月は35.8kWh/坪、同11月は29.7kWh/坪、同12月は35.9kWh/坪であった。
【図表1】オフィステナント電力量の月次推移(東京電力管内)
2.秋季平均、前年同期より減少
秋季(10~12月平均)東京電力管内のオフィス電力量は、2010年40.5kWh/坪、2011年35.6kWh/坪、2012年36.5kWh/坪、2013年36.1kWh/坪、2014年35.0kWh/坪、2015年33.8kWh/坪と、2014年秋季比で1.2kWh/坪、3.4%減少し、調査開始以来の最小値となった(図表2)。
背景としては、2015年年末暖冬の影響で、オフィスの暖房使用が低下したことが考えられる。
【図表2】オフィステナント電力量秋季平均(東京電力管内)
3.年平均でも、過去最小
東京電力管内のオフィス電力量の年平均は、2010年44.7kWh/坪、2011年39.5kWh/坪、2012 年39.5kWh/坪、2013年39.6kWh/坪、2014年38.4kWh/坪、2015年37.1kWh/坪となった。2014年は前年と比べ1.3kWh/坪、3.4%減少し、年平均でも過去6年で最小となった(図表3)。
東京をはじめ、中部、関西、九州など日本各地のオフィス電力量が減少の傾向にある(図表4・図表5・図表6)。背景としては、気温の影響がある一方、2013年ごろからオフィスの大規模な空調更新、照明のLED化工事が急増していることやOA機器の更新により、省エネのオフィス設備が普及していることなど、複合要因であると推察される。
【図表3】オフィステナント電力量の年平均(東京電力管内)
【参考】主要エリアのオフィステナント電気量年平均
【図表4】オフィステナント電力量の年平均(中部電力管内)
【図表5】オフィステナント電力量の年平均(関西電力管内)
【図表6】オフィステナント電力量の年平均(九州電力管内)
- ザイマックス不動産総合研究所
- TEL: 03 3596 1477
- FAX: 03 3596 1478
- お問い合わせ