オフィスの募集期間(2026年)

東京23区におけるオフィス区画の募集期間とその特徴

オフィスでは一般的に、テナントから解約予告が提出された後、オーナーが新たなテナントの募集を開始し、新テナントが決定すると募集を終了する。募集期間の長さは、テナント募集にかかるコストだけでなく、賃貸借契約の空白期間やフリーレント期間などの賃料未収入期間にも影響することから、ビルオーナーや投資家にとって重要な関心事の一つである。

また、募集期間は市場におけるテナント需要や、立地・規模などによる物件・区画の競争力を捉える指標にもなりうる。

ザイマックス総研では2018年に、東京23区のオフィス区画を対象に募集期間に関する調査を行った(*1)。今回、その後に蓄積されたデータを加えて対象期間を拡大し、募集継続中の区画も考慮したうえで、募集期間の実態を改めて分析した。さらに、募集時期、立地、ビルの規模、築年数、区画面積、募集開始時の即入居可否などの属性別に募集期間を比較し、その長短にどのような違いがみられるかを分析した。

本ページはその<概要版>として一部を抜粋したものである。

*1 2018年2月1日公表「オフィスの平均的な募集期間」

※<概要版>PDFはこちら※<詳細版>PDFはこちら

主な調査結果

  • 東京23区のオフィス区画の募集期間は、中央値が5ヶ月。募集継続中の区画を含む推定でも中央値は5ヶ月。募集開始から6ヶ月以内に約6割、12ヶ月以内に約8割の区画が募集を終了している。
  • 年初時点で募集中だった区画の12ヶ月後の募集継続率は、2019年の12.5%から2020年には37.8%へ上昇。その後は低下し、2025年には17.0%となった。
  • 属性別では、特に区画面積が大きいほど募集期間が長い傾向がみられた。募集期間の中央値は30坪未満の4ヶ月に対し、100坪以上では6ヶ月。立地では周辺18区でやや長い一方、ビル規模による明確な違いはみられなかった。
<調査概要>
調査対象

東京23区に所在するオフィス利用可能な募集区画

募集区画の定義

募集状況が「募集中」の区画

募集期間

最初に「募集中」と確認された月から、最後に「募集中」と確認された月まで

募集継続の扱い

同一区画が商談等を経て再び募集となった場合は、一連の募集として扱う

集計単位

区画単位

対象期間

2011年3月~2026年7月

データソース

ザイマックスが独自に収集した募集区画データおよび物件データ

データ数

募集区画240,134区画、うち募集終了235,663区画、募集中4,471区画

topic 1

東京23区のオフィス利用可能な募集区画を対象に、募集開始から終了までの期間を分析した。募集が終了した235,663区画の募集期間は、中央値5ヶ月、平均値7.9ヶ月となった【図表1-1】。分布をみると比較的短期間で募集を終える区画が多い一方、1年以上にわたって募集が続く区画もあり、少数ながら募集期間が長期化するケースもみられる。

また、調査期間終了時点でも募集が続いている区画を含め、カプラン・マイヤー法により推定した場合も、募集期間は中央値5ヶ月、平均値8.1ヶ月となった【図表1-2】。募集開始から6ヶ月以内に約6割、12ヶ月以内に約8割の区画が募集を終了しており、東京23区のオフィス区画では、5ヶ月程度が募集期間の一つの目安といえる。

【図表1-1】募集終了区画の募集期間の分布

【図表1-2】東京23区の生存曲線と募集期間

topic 2

各年の年初時点で募集中の区画について、その後1年間の募集状況をみると、12ヶ月後の募集継続率は2012年の33.7%から徐々に低下し、2019年には12.5%となった【図表2】。一方、2020年には37.8%へ大きく上昇し、その後は再び低下して、2025年には17.0%となった。

各年に募集が終了した区画の募集期間の中央値をみると、2012~2015年は6ヶ月であったが、その後短縮し、2019~2020年には3ヶ月となった。その後は再び長期化し、2022~2023年には6ヶ月、2024~2025年には5ヶ月となっている。

特に2020年は、年初時点で募集中だった区画の37.8%が12ヶ月後も募集を継続していた一方、その年に募集を終了した区画の募集期間の中央値は3ヶ月であり、2つの指標で異なる動きがみられた。このことから、募集期間の年次変化を捉える際には、募集終了区画の募集期間だけでなく、募集継続中の区画の動向もあわせてみることが重要である。

【図表2】年初時点で募集中の区画の12ヶ月後の募集状況と募集期間の中央値

topic 3

属性別に募集期間をみると、多くの区分で中央値は5ヶ月前後となった。一方、立地では周辺18区、区画面積では100坪以上の区画で中央値が6ヶ月となり、全体より長い傾向がみられた。特に区画面積では、30坪未満の4ヶ月から200坪以上の6ヶ月まで、面積が大きくなるにつれて募集期間が長くなる傾向が確認された。

ビル規模による中央値の明確な違いはみられず、築年数についても竣工後は大きな差はみられなかった。なお、新築・竣工前募集では中央値が8ヶ月と長いが、竣工までの期間を含めて募集期間を計測していることが影響していると考えられる。

【図表3】属性別にみた募集期間の中央値

レポート内のグラフに関して
・構成比(%)は、小数点第2位を四捨五入しているため内訳の合計が100%にならない場合がある。