2023.01.18
オフィスピラミッド 2023
ザイマックス不動産総合研究所は、今般、東京23区と大阪市の「オフィスピラミッド2023」を発表する。オフィスピラミッドは、延床面積300坪以上の主な用途がオフィスであるビルを対象に、築年ごとのオフィス賃貸面積、棟数を規模別に表したものである。
- ・ 2023年末時点のオフィスストックは賃貸面積ベースで1,311万坪、うち中小規模ビルが607万坪(46%)、大規模ビルが704万坪(54%)と、大規模ビルがやや多い。
- ・ 棟数ベースでは9,400棟、うち中小規模ビルが8,642棟と92%を占める。
- ・ 平均築年数はストック全体で33.4年、中小規模ビルが34.2年、大規模ビルが25.0年と、中小規模ビルにおいて特にストックが高齢化している。
- ・ 都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィスストックは賃貸面積ベースで981万坪、棟数ベースで6,862棟、周辺18区は賃貸面積ベースで330万坪、棟数ベースで2,538棟と、都心5区が賃貸面積ベースでストック全体の75%、棟数ベースでストック全体の73%を占める。
- ・ 平均築年数は、都心5区で33.6年、周辺18区で33.2年である。
- ・ 2023年末時点のオフィスストックは賃貸面積ベースで286万坪、うち中小規模ビルが142万坪(50%)、大規模ビルが144万坪(50%)とほぼ同量である。
- ・ 棟数ベースでは1,769棟、うち中小規模ビルが1,578棟と89%を占める。
- ・ 平均築年数はストック全体で34.8年、中小規模ビルが35.3年、大規模ビルが31.1年である。
1. 【東京23区】中小規模と大規模の比較
2. 【東京23区】都心5区と周辺18区の比較
3. 【大阪市】中小規模と大規模の比較
1. 【東京23区】中小規模と大規模の比較
2023年末時点の東京23区オフィスストックは賃貸面積ベースで1,311万坪である【図表1】。うち、延床面積300坪以上5,000坪未満の中小規模ビルのストックは607万坪であり、全体の46%にあたる。延床面積5,000坪以上の大規模ビルは704万坪と全体の54%を占め、大規模ビルがやや多い。
オフィスストック全体の平均築年数は33.4年となった。規模別では、中小規模ビルが34.2年、大規模ビルが25.0年と、中小規模ビルにおいてストックが高齢化している。
【図表1】東京23区オフィスピラミッド2023(賃貸面積ベース)
一方で、棟数ベースでは東京23区全体で9,400棟、うち中小規模ビルが8,642棟(92%)、大規模ビルは758棟(8%)であり、ストックの大部分は中小規模ビルである【図表2】。
【図表2】東京23区オフィスピラミッド2023(棟数ベース)
中小規模ビルはバブル期前後に竣工した物件(1986~1997年竣工、築26~37年)が多く、築20年以上が506万坪と中小規模ビルの83%を占める。バブル期以降は供給量が少なく、築20年未満は101万坪となった。棟数でみても、築20年以上が7,534棟、築20年未満が1,108棟と、築20年以上のオフィスビルが多数を占めている。
大規模ビルは築20年以上が391万坪、築20年未満が313万坪で、2022年末時点と比べて築20年以上の割合が4ポイント増加し56%となった。棟数でみても築20年以上が460棟、築20年未満が298棟となり、築20年以上が2022年末時点から3ポイント増加して61%に達した。これは、大量供給のあった2003年に竣工した物件が築20年以上となったためである。
2. 【東京23区】都心5区と周辺18区の比較
次に、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)と周辺18区に分けてストックをみてみる。2023年末時点の東京都心5区のオフィスストックは賃貸面積ベースで981万坪と、東京23区全体のストック(1,311万坪)の75%を占める【図表3】。うち、中小規模ビルは447万坪(46%)、大規模ビルは534万坪(54%)であった。また、都心5区のストック全体の平均築年数は33.6年であった。規模別では、中小規模ビルの平均築年数は34.2年であり、大規模ビルの平均築年数25.7年に比べ築古化が進んでいる。
【図表3】東京都心5区オフィスピラミッド2023(賃貸面積ベース)
棟数ベースでは東京都心5区全体で6,862棟と東京23区全体のストック(9,400棟)の73%を占める【図表4】。うち、中小規模ビルは6,310棟(92%)、大規模ビルは552棟(8%)であった。
【図表4】東京都心5区オフィスピラミッド2023(棟数ベース)
一方で、2023年末時点の東京周辺18区オフィスストックは賃貸面積ベースで330万坪と東京23区全体のストック(1,311万坪)の25%にあたる【図表5】。うち、中小規模ビルは160万坪と周辺18区全体のストックの48%、大規模ビルは170万坪と52%を占める。また、周辺18区のストック全体の平均築年数は33.2年で、都心5区の33.6年と大きな差はない。規模別にみると、中小規模ビルの平均築年数は34.0年、大規模ビルの平均築年数は23.3年であった。
【図表5】東京周辺18区オフィスピラミッド2023(賃貸面積ベース)
棟数ベースでは東京周辺18区全体で2,538棟、うち中小規模ビルが2,332棟(92%)、大規模ビルが206棟(8%)であった【図表6】。
【図表6】東京周辺18区オフィスピラミッド2023(棟数ベース)
3. 【大阪市】中小規模と大規模の比較
2023年末時点の大阪市オフィスストックは賃貸面積ベースで286万坪である【図表7】。うち、延床面積300坪以上5,000坪未満の中小規模ビルは142万坪(50%)、延床面積5,000坪以上の大規模ビルは144万坪(50%)と、賃貸面積では中小規模ビルと大規模ビルがほぼ同量となっている。また、大阪市のオフィスストック(286万坪)は、東京23区のオフィスストック(1,311万坪)の22%である。
オフィスストック全体の平均築年数は34.8年であった。規模別では、中小規模ビルが35.3年、大規模ビルが31.1年であった。
築年別の構成をみると、中小規模ビルは築20年以上が126万坪、築20年未満が16万坪と、築20年以上のストックが89%を占めており、ここ20年の供給量が少ないことがわかる。大規模ビルは築20年以上が103万坪、築20年未満が41万坪と、築20年以上のストックが72%となった。
【図表7】大阪市オフィスピラミッド2023(賃貸面積ベース)
棟数ベースでは大阪市全体で1,769棟、うち中小規模ビルが1,578棟(89%)、大規模ビルが191棟(11%)であった【図表8】。
【図表8】大阪市オフィスピラミッド2023(棟数ベース)
調査時点
2022年12月
調査エリア
東京23区、大阪市
対象物件
2023年末時点において、延床面積300坪以上、1946年以降に竣工した(予定含む)主な用途が事務所のオフィスビル(原則、自社ビルを除く)
集計対象
<大規模>延床面積5,000坪以上、<中小規模>延床面積300坪以上5,000坪未満のオフィスビルの棟数およびオフィス賃貸面積(坪)
調査方法
新聞記事など一般的に公開されている情報を基に、一部現地調査ならびに事業者にヒアリングを実施して集計
備考
- ザイマックス不動産総合研究所
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