2021.01.15
オフィスピラミッド 2021
ザイマックス不動産総合研究所は、今般、東京23区と大阪市の「オフィスピラミッド2021」を発表する。オフィスピラミッドは、延床面積300坪以上の主な用途がオフィスであるビルを対象に、築年ごとのオフィス賃貸面積、棟数を規模別に表したものである。
- ・ 2021年末時点のオフィスストックは賃貸面積ベースで1,300万坪、うち中小規模ビルが605万坪(47%)、大規模ビルが695万坪(53%)と、中小規模と大規模がほぼ同量となっている。
- ・ 棟数ベースでは9,318棟、うち中小規模ビルが8,563棟と92%を占める。
- ・ 平均築年数はストック全体で32.3年、中小規模ビルが33.0年、大規模ビルが24.3年と、中小規模ビルにおいて特にストックが高齢化している。
- ・ 都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィスストックは賃貸面積ベースで975万坪、棟数ベースで6,836棟、周辺18区は賃貸面積ベースで325万坪、棟数ベースで2,482棟と、都心5区が全体の約75%を占める。
- ・ 平均築年数は、都心5区で32.5年、周辺18区で31.7年である。
- ・ 2021年末時点のオフィスストックは賃貸面積ベースで279万坪、うち中小規模ビルが140万坪(50%)、大規模ビルが139万坪(50%)とほぼ同量である。
- ・ 棟数ベースでは1,731棟、うち中小規模ビルが1,545棟と89%を占める。
- ・ 平均築年数はストック全体で33.3年、中小規模ビルが33.8年、大規模ビルが29.7年である。
1. 【東京23区】中小規模と大規模の比較
2. 【東京23区】都心5区と周辺18区の比較
3. 【大阪市】中小規模と大規模の比較
1.【東京23区】中小規模と大規模の比較
2021年末時点の東京23区オフィスストックは賃貸面積ベースで1,300万坪である【図表1】。うち、延床面積300坪以上5,000坪未満の中小規模ビルのストックは605万坪であり、全体の47%にあたる。延床面積5,000坪以上の大規模ビルは695万坪と全体の53%を占め、大規模ビルと中小規模ビルがほぼ同じ面積となっている。
オフィスストック全体の平均築年数は32.3年となった。規模別では、中小規模ビルが33.0年、大規模ビルが24.3年と、中小規模ビルにおいてストックが高齢化している。
【図表1】東京23区オフィスピラミッド2021(賃貸面積ベース)
一方で、棟数ベースでは東京23区全体で9,318棟、うち中小規模ビルが8,563棟(92%)、大規模ビルは755棟(8%)であり、ストックの大部分は中小規模ビルである【図表2】。
【図表2】東京23区オフィスピラミッド2021(棟数ベース)
中小規模ビルはバブル期に竣工した物件(1986~1997年竣工、築24~35年)が多く、築20年以上が502万坪と中小規模ビルの83%を占める。バブル期以降は供給量が少なく、築20年未満は103万坪となった。棟数でみても、築20年以上が7,486棟、築20年未満が1,077棟と、築20年以上のオフィスビルが多数を占めている。
大規模ビルは築20年以上が352万坪、築20年未満が343万坪とほぼ同量である。棟数でみても、築20年以上が425棟と、築20年未満の330棟をやや上回っているものの、その差は小さく、バブル期以降も供給が続いてきたことがわかる。
2.【東京23区】都心5区と周辺18区の比較
次に、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)と周辺18区に分けてストックをみてみる。2021年末時点の東京都心5区オフィスストックは賃貸面積ベースで975万坪と、東京23区全体のストック(1,300万坪)の75%を占める。うち、中小規模ビルは447万坪(46%)、大規模ビルは528万坪(54%)であった【図表3】。また、都心5区のストック全体の平均築年数は32.5年となった。うち、中小規模ビルの平均築年数は33.2年となり、大規模ビルの平均築年数25.2年に比べ築古化が進んでいる。
【図表3】東京都心5区オフィスピラミッド2021(賃貸面積ベース)
棟数ベースでは6,836棟、うち中小規模ビルが6,279棟(92%)、大規模ビルが557棟(8%)であった【図表4】。
【図表4】東京都心5区オフィスピラミッド2021(棟数ベース)
一方で、2021年末時点の東京周辺18区オフィスストックは賃貸面積ベースで325万坪と東京23区全体のストック(1,300万坪)の25%にあたる。うち、中小規模ビルは158万坪と周辺18区全体のストックの49%、大規模ビルは167万坪で51%である【図表5】。また、周辺18区のストック全体の平均築年数は31.7年で、都心5区の32.5年と大きな差はない。規模別にみると、中小規模ビルの平均築年数は32.6年、大規模ビルの平均築年数は21.8年となった。
【図表5】東京周辺18区オフィスピラミッド2021(賃貸面積ベース)
棟数ベースでは2,482棟、うち中小規模ビルが2,284棟(92%)、大規模ビルが198棟(8%)であった【図表6】。
【図表6】東京周辺18区オフィスピラミッド2021(棟数ベース)
3.【大阪市】中小規模と大規模の比較
2021年末時点の大阪市オフィスストックは賃貸面積ベースで279万坪である【図表7】。うち、延床面積300坪以上5,000坪未満の中小規模ビルは140万坪、延床面積5,000坪以上の大規模ビルは139万坪と、賃貸面積では中小規模ビルと大規模ビルがほぼ同量となっている。また、大阪市のオフィスストック279万坪は、東京23区のオフィスストック1,300万坪の約1/5である。
オフィスストック全体の平均築年数は33.3年となった。うち、中小規模ビルが33.8年、大規模ビルが29.7年であった。
築年別の構成をみると、中小規模ビルは築20年以上が124万坪、築20年未満が16万坪と、築20年以上のストックが89%を占めており、ここ20年の供給量が少ないことがわかる。大規模ビルは築20年以上が98万坪、築20年未満が41万坪であった。
【図表7】大阪市オフィスピラミッド2021(賃貸面積ベース)
棟数ベースでは大阪市全体で1,731棟、うち中小規模ビルが1,545棟(89%)、大規模ビルは186棟(11%)であった【図表8】。
【図表8】大阪市オフィスピラミッド2021(棟数ベース)
調査時点
2020年12月
調査エリア
東京23区、大阪市
対象物件
2021年末時点において、延床面積300坪以上、1946年以降に竣工した(予定含む)主な用途が事務所のオフィスビル
集計対象
<大規模>延床面積5,000坪以上、<中小規模>延床面積300坪以上5,000坪未満のオフィスビルの棟数およびオフィス賃貸面積(坪)
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