マーケット指標

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2019.08.07

オフィスマーケットレポート 東京 2019Q2

まとめ
  • ・ 今期(2019年4~6月期)の東京23区オフィスマーケットは、オフィススペースのニーズは依然強いものの、移転に伴う二次空室が館内消化されずに市場に出るケースがみられた事もあり、18四半期ぶりに空室率は上昇した。新規成約賃料の上昇傾向は継続している。
  • ・ 空室率(*1)は前期と比べ0.06ポイント上昇して0.87%となった。空室増減量(*1)は増加が6.3万坪、減少が6.0万坪と、18四半期ぶりに空室の増加が減少を上回った。空室在庫の減少割合を示す空室消化率(*1)は前期から2.9ポイント減少して50.7%であった。
  • ・ 新規賃料の水準を示す新規成約賃料インデックスは前期から+4の127となった。新規賃料が上昇した物件の割合から下落した物件の割合を引いた成約賃料DIは+34と、17四半期連続プラスで推移している。
  • ・ 新規賃料と継続賃料の両方を含む支払賃料インデックスは前期から+2の96となった。
  • ・ 全契約の平均フリーレント月数は1.7ヶ月、フリーレント付与率は47.3%と、フリーレントはマーケットに定着しているとみられる。

(*1) 前期から計算方法を変更した。詳細は末尾に記載。

空室

図表1は、2011年からの東京23区、都心5区(中央区、千代田区、港区、渋谷区、新宿区)、周辺18区の空室率の推移である。2019年第2四半期の空室率は23区で前期から0.06ポイント上昇して0.87%、都心5区で0.04ポイント上昇し0.59%、周辺18区で0.12ポイント上昇して1.77%であった。企業のオフィス拡張ニーズは依然として高い(*2)ものの、人員が増えオフィスが手狭になっても、求める規模・立地の空室がないためにオフィスを拡張できず、在宅勤務やテレワークなどで手狭感の解消を図る企業が増えてきている。このことも空室率が低下しなかった要因の一つといえる。

(*2) 2019年6月26日公表「大都市圏オフィス需要調査2019春

【図表1】空室率(エリア別)



図表2は、2011年からの東京23区の全規模ビル、大規模ビル(延床5,000坪以上)、中小規模ビル(延床5,000坪未満)の空室率の推移である。2019年第2四半期は大規模ビルで0.79%、中小規模ビルで0.96%と、いずれの規模でも前期と比べ上昇した。

【図表2】空室率(規模別)



図表3は、空室の増加面積と減少面積(空室増減量)の推移である。今期の空室増加面積は6.3万坪、空室減少面積は6.0万坪と過去最少であった。また、18四半期ぶりに増加面積が減少面積を上回った。
空室率が1%を切り、市場全体の空室の品薄感が依然強いことに加え、今期は新規竣工したオフィスビルの供給量自体が少なかったことも空室増減量が過去最少となった要因として挙げられる。

【図表3】空室増減量(23区・全規模)



図表4は、空室在庫(期初の空室在庫+期間中に発生した空室の総量)に対して、期間中に空室がどれだけ減少したかを割合で示す空室消化率(4四半期移動平均)の推移である。今期の空室消化率は50.7%と前期から2.9ポイント減少したものの、依然として高い水準を維持し続けている。オフィスマーケットの空室消化は引き続き堅調であるといえる。

【図表4】空室消化率(4四半期移動平均)


新規成約賃料

図表5は、新規賃料の水準を示す新規成約賃料インデックスの推移である。2019年第2四半期は127と前期比4ポイント上昇、前年同期比14ポイント上昇と、2012年第2四半期以降の新規賃料の上昇傾向が続いている。業務効率化を目的とした拠点集約など、依然として交通利便性の高い大型オフィスビルの人気が強い。また、市場の空室在庫は不足しており、貸主側が強気の姿勢で高額な賃料を提示しても、借主側が受け入れるケースもみられた。

【図表5】新規成約賃料インデックス



図表6は、規模別の新規成約賃料インデックスの推移である。延床面積5,000坪以上の大規模ビルは118と前期から1ポイント減少、延床面積5,000坪未満の中小規模ビルは125と前期から3ポイント上昇となった。いずれの規模でも2012年以降の上昇傾向が継続している。

【図表6】新規成約賃料インデックス(規模別)



図表7は、新規成約賃料の変化の方向性を示す成約賃料DI(賃料が上昇した物件の割合-下落した物件の割合)の推移である。2019年第2四半期は前期と比べ15ポイント上昇し「+34」と、新規賃料が半年前と比べて下落した物件より上昇した物件が多いことを示す結果となった。成約賃料DIは17四半期連続でプラス圏を維持している。

【図表7】成約賃料DI


支払賃料

図表8は、新規賃料と継続賃料の両方を含む支払賃料インデックスの推移である。2019年第2四半期は96となり、前期と比べ2ポイント上昇した。市場の空室在庫の不足や、新規賃料の上昇を受け、契約更新時に強気の賃料値上げをする貸主が増えてきた。また、借主側も移転先の選択肢が少なく、移転先の賃料も高いことから、ある程度の値上げ交渉は受け入れるケースが多く、支払賃料インデックスの上昇につながったと考えられる。

【図表8】支払賃料インデックス  


フリーレント

図表9は、新規契約のうちフリーレントを付与した割合(付与率)と、フリーレント期間の平均値(平均フリーレント月数)の推移である。2019年第2四半期は、「フリーレントあり契約の平均月数」が前期から0.3ヶ月微増の3.5ヶ月、「全契約の平均月数」が前期から0.2ヶ月微増の1.7ヶ月であった。

【図表9】フリーレント  

前期から引き続き、長期・短期のフリーレントともに一定数存在しており、フリーレントを付与する慣習が市場に広く浸透していることがわかる。また、賃料水準の上昇が続いており、交渉の結果として比較的長期フリーレントを付与するケースも一部にみられる。

マーケット循環

図表10は、横軸に空室率、縦軸に新規成約賃料インデックスをとって四半期ごとにプロットしたものである。2001年以降右下方向(空室率上昇・賃料下落)に移動し、2003年から2004年の停滞期を経て、2005年以降左上方向(空室率低下・賃料上昇)へ移動し、2008年以降再び右下方向へ移動、とマーケットが循環しながら推移する様子が観察できる。

【図表10】マーケット循環  

2013年以降オフィス賃貸マーケットは回復期にあり、前期でもその傾向は継続していたが、今期は空室率、賃料がともに上昇し、右上方向に移動した。




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